808 ページ8
、
次の日の朝食、教職員テーブルに、ずっと席を外していたハグリッドが現れた。ハグリッドを生徒全員が大歓迎したというわけではなかったが、フレッド、ジョージ、リーなどの何人かは歓声を上げて、グリフィンドールとハッフルパフのテーブルの間を飛ぶように走ってハグリッドに駆け寄り、巨大な手を握り締めた。
パーバティやラベンダーなどは暗い顔で目配せし、首を振った。グラブリー‐プランク先生の授業のほうがいいと思う生徒が多いのだろう。それも一理あるのが最悪だった。なにしろグラブリー‐プランクの考えるおもしろい授業なら、誰かの頭が食いちぎられる危険性のあるようなものではない。
火曜日には防寒用の重装備をし、5年生はハグリッドの授業に向かった。今回は、アンブリッジの査察があった。クラスのほかの生徒、とくにマルフォイ一味が、アンブリッジの目の前でどんな態度を取るかが心配だ。しかし、雪と格闘しながら、森の端で待っているハグリッドに近づいてみると、高等尋問官の姿はどこにも見当たらなかった。
ハグリッドは死んだ牛の半身らしいものを肩に担いでいた。
「今日はあそこで授業だ！」
近づいてくる生徒たちに、ハグリッドは背後の暗い木立を振り返りながら嬉々として呼びかけた。
「少しは寒さしのぎになるぞ！ どっちみち、あいつら、暗いとこが好きなんだ」
「何が暗いところが好きだって？」
マルフォイが険しい声でクラッブとゴイルに聞くのが耳に入った。ちらりと恐怖を覗かせた声だった。
「あいつ、何が暗いところが好きだって言った？――聞こえたか？」
「ええか？」
ハグリッドはクラスを見渡して浮き浮きと言った。
「よし、さーて、森の探索は五年生まで楽しみに取っておいた。連中を自然な生息地で見せてやろうと思ってな。さあ、今日勉強するやつは、珍しいぞ。こいつらを飼い馴らすのに成功したのは、イギリスではたぶん俺だけだ」
「それで、本当に飼い馴らされてるって、自信があるのかい？」
マルフォイが、ますます恐怖を露にした声で聞いた。
「なにしろ、野蛮な動物をクラスに持ち込んだのはこれが最初じゃないだろう？」
スリザリン生がザワザワとマルフォイに同意した。グリフィンドール生さえも、何人かは、マルフォイの言うことは的を射ているという顔をした。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 923人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Neko(プロフ) - 愛憎のフィナーレのパスワードを教えてください (2022年12月11日 18時) (
レス) @page27 id: dd386e9727 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - 神崎さん» ありがとうございますー！！！！更新頑張ります😭💪🏻💪🏻 (2022年7月17日 3時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 更新ありがとうございます！これからも気長に待ってます！😊 (2022年7月10日 7時) (レス) @page44 id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
鵲(プロフ) - mp0623さん» わー！！長らくおまたせしてすみませんー！！ありがとうございますーー！！！がんばります！！💪🏻💪🏻💪🏻 (2022年7月10日 1時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
mp0623(プロフ) - 続き嬉しいです〜〜〜！夢主ちゃんに甘々な双子が可愛いです☺️💖💖引き続き楽しみにしています！！！ (2022年7月6日 3時) (レス) @page31 id: 2d647e4096 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2022年5月28日 3時
