094 ページ44
、
「さあ──気をつけて！ 魔法界の中でもっとも穢れた生き物と戦う術を授けるのが、私の役目なのです！この教室で君たちは、これまでにない恐ろしい目に遭うことになるでしょう。ただし、私がここにいるかぎり、何物も君たちに危害を加えることはないと思いたまえ。落ち着いているよう、それだけをお願いしておきましょう」
ロックハートが覆いに手をかけた。
「どうか、叫ばないようお願いしたい。連中を挑発してしまうかもしれないのでね」
ロックハートが低い声で言った。クラス全員が息を殺した。ロックハートはパッと覆いを取り払った。
「さあ、どうだ」
ロックハートは芝居じみた声を出した。
「捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー小妖精」
シェーマス・フィネガンはこらえきれずにプッと噴き出した。さすがのロックハートでさえ、これは恐怖の叫びとは聞こえなかった。
「どうかしたかね？」
ロックハートがシェーマスに笑いかけた。
「あの、こいつらが──あの、そんなに──危険、なんですか？」
シェーマスは笑いを殺すのに、咽せ返った。
「思い込みはいけません！」
ロックハートはシェーマスに向かってたしなめるように指を振りながら言った。
「連中は厄介で危険な小悪魔になりえますぞ！」
ピクシー小妖精は、身の丈二十センチぐらいで、群青色をしていた。尖んがった顔でキーキーと甲高い声を出すので、インコの群れが議論しているような騒ぎだった。
覆いが取り払われるや否や、ペチャクチャしゃべりまくりながら籠の中をピュンピュン飛び回り、籠をガタガタいわせたり、近くにいる生徒にあっかんべーをしたりした。
「さあ、それでは」
ロックハートが声を張りあげ、「君たちがピクシーをどう扱うかやってみましょう！」と、籠の戸を開けた。
上を下への大騒ぎが巻き起こった。ピクシーはロケットのように四方八方に飛び散り、二匹がネビルの両耳を引っ張って空中に吊り上げた。数匹が窓ガラスを突き破って飛び出し、後ろの席の生徒にガラスの破片の雨を浴びせた。Aの目の前にガラスが降ってきて、Aはその場に尻餅をついた。
「痛っ！」
頬が切れて、Aが顔を歪めた。教室に残ったピクシーたちの破壊力ときたら、暴走するサイよりすごかった。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 514人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鵲(プロフ) - 貴戸藍樂_きど あいらくさん» ありがとうございます〜！！エヘ…可愛く書けてたらよかったです❤❤これからも応援よろしくお願いしますーー！！ (2021年10月9日 20時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
貴戸藍樂_きど あいらく(プロフ) - 続編おめでとうございます！！撫でられた時の感覚が違うって...かわいすぎやしませんか()可愛らしい絡みの中にある厳しいお母さんもまた最高です...！更新お疲れ様です！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1c72b51fe6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵲
| 作成日時：2021年10月9日 18時
