給餌 ページ12
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『うんっまっ!』
「よかったわ」
『リチャくん、肉焼くん上手いな』
久しぶりのリチャくんとのサシ。
珍しく2人のオフが被りやっとの思いで迎えた今日。
めっちゃ、楽しみにしてました。と会ってすぐ伝えたけどほんまに思うてんの?と疑心暗鬼になってたリチャくん。そこ疑うとこ全然ちゃうからな。
『リチャくん』
「なんや」
『あの、お肉のせすぎ、もう皿いっぱいなんやけど』
選んだのは焼肉でリチャくんが焼いてくれてるんやけど、もうお肉でいっぱいの私の取り皿。
「いっぱい食え」
『いや、冷めてまうわ。頼んだやつ、8割うちの腹に入ってんねん』
「8割はいってへんやろ」
『じゃあ、7.5』
最近なにかと食べ物を与えてくるのにこの間気付いた。
貰ったー、と言いながらさらっといつも、私の前にだけ置いていく。
『もしかして、うちのことサルやと思うてる?』
「思うてないわ」笑
『なんか、動物園で餌買ったけど余ったから最後に回った猿山におるサルに放り投げてる感覚?』
「どんな感覚やねん」
最近、ご飯食べてるとこみんの好きやねん、と彼から急な暴露。
いや、暴露まではいかんと思うけど。
『うちがご飯食べてるとこが好きなん?それとも、誰でもなん?』
「メンヘラみたいな聞き方するやん」
『当たり前やろ!答えによってはもう、リチャくんから与えられたもんは食べへんで』
「それもう、選択肢一つしかないやん。まぁ、あってるけど」
リチャくんは、私が食べ物を頬いっぱいにして食べてるのが好きらしい。
「なんか、忙しそうやしな」
痩せたってわけやないけど、と後から付け足される。
心配してくれてるのを素直に言葉で言わないのはリチャくんらしい。
『まぁ、忙しいは忙しいけどな。ちゃんと食べてるで。リチャくんのおかげで2キロ増えたし』
「ならええわ。そんくらいが丁度ええよ」
『リチャくん、ありがとう』
照れ隠しなのか、ん、と短い返事をして肉を口にするリチャくん。かわええな。
そんな、リチャくんの代わりにトングを持って肉を焼き始める。
いっぱいくれたお返しに、と残ってるお肉全部リチャくんのお皿に乗せといた。
「いや、もう入らんわ。
え、もしかして、さっきの仕返し?嫌がらせ?」
『全然そんなことないで』
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作者名:ぼんじり | 作成日時:2023年7月20日 1時