・ ページ22
．
正直、このトントン拍子な展開には驚いている。
なぜ母がこんなにも乗り気なのか。
こんなにも受け入れているのか。
…しかし、もしかすると、これはいい機会なのかもしれない。
韓国は、日本とはまた違うジャンルのダンスをベースとしている。それにレベルが高いことも確か。
韓国のレベルを間近で見てみたい気持ちもある。
友達と離れることは少し寂しいけれど、両親と離れる方が今の私にはもっと寂しい。
まぁ？韓国へ行っても父は会社が忙しそうだし、母は今までと変わらず飛び回る日々が続くし、一人暮らしのような生活に変わりはないかもしれないけれど。
｢私も一緒に行くよ。｣
母｢え？｣
学校の電話番号を調べていた母が、鳩に豆鉄砲を食らったかのような表情を見せる。
｢韓国へ行って、レベルの高いダンスを見てみたい。今の私のレベルがどれ程か知ってみたい。｣
母｢本当にいいの？お友達とも会えなくなるのよ？｣
｢うん、いいよ。｣
母｢Aがそう言うんなら…ねぇ？｣
母が父に目配せをする。
父は無言で頷き、私に話を始める。
父｢正直、お父さんは単身赴任として一人で韓国へ行くことも考えた。でも、そうしたらAは一人で居る時間が増えてしまうかもしれないと悩んだ。お父さんは、お母さんの仕事に対する働きを尊敬してる。だから辞めて欲しくないと思ってる。けれど、それと同時にAはどう感じるだろうとも思った。お父さんは＿＿＿｣
ああこれは良くない。これは話が長くなるパターンだ。
このまま父の話を聞いていたら日が暮れてしまうかも。
…よし、ここは話をぶった斬るのが吉。
「お父さん、話が長くなる気しかしないから私から言うね。行くよ、韓国。短い間だったけど中学校生活は楽しかった。離れても友達とは連絡はとれるから大丈夫だよ。それに、私は友達と離れるよりも家族と離れる方が寂しいから。｣
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 636人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふふふ - おもしろーい！ (2022年1月16日 13時) (
レス) @page24 id: ac3b07a813 (このIDを非表示/違反報告)
ルン - とっても面白いです＾＾これからも楽しみにしております！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page2 id: 169ec3d566 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルナ | 作成日時：2021年11月13日 11時
