08. ページ10
「あ"ーつかれた…結局焦凍に勝てなかったし…」
「ほとんど変わらなかったけどな」
あ、焦凍嬉しそう。かわいい。
ちなみに俺はクラスで三位だった。
一位の八百万さん…？すごかったな…推薦入学者らしいし。明日話せたらいいなぁ。
暇だし飲み物でも取りに行こうと部屋を出て台所に行く途中、冬美姉に声を掛けられた。
「ねぇ燐凍！ちょっと買い物行ってきてくれない？
卵あると思ってたら使い切っちゃってたみたいで」
「うげー」
「どうせ暇でしょ？」
「ハイ…」
宿題もなくて、明日の準備もして、なにもすることがないんだから暇なのは仕方ないと思う！
「あとお母さんへのお見舞い品も買ってきて」
「…わかったー」
俺は買い物メモとお金をもらい、スマホと財布を尻ポケットに突っ込んで家を出た。
しばらく行くとスーパーマーケットに着いた。
買い物メモを見ながら食材をカゴに入れていく。
最後はお見舞い品だけど…
母さん、何が好きだったかなぁ…
＿＿＿いや、
「俺に、母さんのことを想う資格なんてないや…」
ポツリと呟いた言葉は、買い物客の楽しげな声にかき消されて消えた。
…うん。冬美姉が買いそうなやつにしよう。
お見舞い品をカゴに入れてレジに持っていこうと顔を上げようとしたその時。
なんかすごく後ろから視線を感じる…。
思い切ってパッと振り向くと、視線の主はビクッと肩を震わせた。
「おー！緑谷君！緑谷君もおつかい？」
「う、うん！……」
「…？どうかした？」
「いや、ただの勘違いかもしれないからいいや…！」
「えっ何それ気になる！」
言い淀む緑谷君の肩を掴んで揺さぶる。
緑谷君が「ギブギブ！言う！言います！」と根をあげたので解放すると
「何か思い詰めてる感じだったから気になって…。
お中元とかの季節でもないのに贈り物のフルーツとかゼリー見てたから、誰か近い仲の人が入院でもしてるの？」
「……うん、まぁ、そんなとこ」
俺ってそんなにわかりやすい…？
焦凍もわかりにくいようで結構わかりやすいし、そうなのかも…。
緑谷君の言葉が重くのしかかる。
思い出したくない情景を思い出した。
それがまた顔に出ていたのか、緑谷君が「大丈夫？」と声をかけてくれた。
これ以上俺の家事情に緑谷君を巻き込む訳にはいかない…
今できる精一杯の笑顔で緑谷君に別れを告げ、逃げるようにレジに向かった。
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熊葛(プロフ) - ちぃとんさん» (作者です！)ありがとうございます！！書ける時に少しずつなんですが頑張ります…！(^O^) (2018年12月27日 22時) (
レス) id: 536b70f51e (このIDを非表示/違反報告)
ちぃとん(プロフ) - めっちゃ好きです！(о´∀`о)これからも頑張ってください！ (2018年11月18日 1時) (レス) id: 1c08bbf829 (このIDを非表示/違反報告)
ぺき(プロフ) - 亜純さん» ありがとうございます！忙しさにムラがあるんですが、書けるときに少しずつ書いていきます^ ^頑張りますね！ (2018年10月25日 18時) (レス) id: 536b70f51e (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2018年10月23日 8時) (レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
ぺき(プロフ) - mii.さん» わ〜〜ありがとうございます！T^Tほんと亀更新ですが頑張ります！ (2018年10月8日 15時) (レス) id: 536b70f51e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：熊葛 x他1人 | 作成日時：2018年8月15日 15時
