09. 咲夜side ページ12
天馬「
シナリオはなし。全部アドリブで芝居をする…いいな?」
『うん、了解』
最初は普通にオーディションをするだけだったはずが、いつの間にか雫さんと天馬くんが即興劇をすることになってしまった。
雫さん、役者経験あるのかな…天馬くんは現役の俳優だし、ちょっと心配…
監督が「スタート!」と合図をした。
『……ッ』
咲夜「!?」
…泣いた。今の一瞬で。
驚いたのは俺だけじゃないようで、周りのみんなも、舞台の上の天馬くんさえもが少し動揺していた。
天馬「どうか泣かないでください。あなたには笑顔が一番お似合いです
……姫」
雫さんに女役を演らせようってことかな…天馬くんも仕掛けたなぁ。
すると雫さんもその意図を察したようで、人差し指で丁寧に涙を拭った。
『…ありがとう。
でもね、私、王家から除籍されるのが嫌な訳じゃないのよ』
天馬「…陛下や王子達に会えなくなるのが寂しいのですね」
『いいえ、寂しくないわ。だって…』
あなたと一緒なんだから!と言ってへらりと笑う雫さんは、本当にどこかの国のお姫様のようで。
…あ、至さんが悶絶してる。
天馬くんもちょっと顔赤いし…それだけ雫さんの演技に引き込まれてるってことだ。
天馬「勿体無いお言葉」
『さっきは、ふと昔の出来事を思い出してしまっただけ。
…行きましょう!見たことのない景色を見に行くの!』
天馬「この私、どこまでもお供いたします。
……なかなかやるな、お前」
拍手が巻き起こる。
咲夜「二人とも、凄かったです!!引き込まれちゃいました」
椋「本物のお姫様と執事さんみたいでした!」
天馬「まっ、まぁ、合格としてやるよ」
『いぇーい』
一成「これから よろピコ〜〜!」
幸「よろしく」
椋「よろしくお願いします…!」
いづみ「じゃあみんな、これから夏組として頑張っていこう!」
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