希望の苗を植えましょう (ページ8)

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頭にはてなを浮かべるレオ。その目の前に箸、フォーク、ナイフ、スプーンの4つをおく。

兄貴「まず、これが箸。二本の棒を使って者を挟んで口まで持ってく。こうだな」

手本だと言わんばかりにすんなりとやってのける兄貴。もうひと組をレオに渡し、教え込む。

兄貴「違う。箸同士はくっつけるな。きちんと間に中指を入れて人差し指と挟むんだ」

レオ「？？なかゆび？ひとさしゆび？何処だ？」

兄貴「…あーっとだな」

話し合いはできるけどもやはりきちんとした学が無いため、レオはものの名称などの知識が疎いらしい。兄貴も手こずっているようだ。

レオ「…むずかしい」

兄貴「…まぁ、初めてはそんなもんか。おっ！今のいいぞ！！」

レオ「本当か！？あっ！」

兄貴に褒められ嬉しかったのか注意をそらすと摘んでいた食材がポロッと落ちていく。
それを取ろうと手を伸ばしたレオの腕を兄貴が叩く。

レオ「いった！」

兄貴「アホか。おちたものは食べるな」

レオ「なんで！？勿体ないぞ！」

兄貴「お前はその辺の下の者達と同類になりたいのか？そんなんじゃ汚いものとして見られ誰にも相手にされない。主に枯子族などはな」

レオ「…わかった」

今度は食べようとせず端の方に避けておく。まだまだ、箸には慣れてないが次に移る。

兄貴「次はフォークとスプーン、ナイフだ。この３つは、他にも種類があるが今はいいだろう。ナイフはこう、さして使って。スプーンはすくって使う。ナイフは切って使うんだ」

レオ「…ん。こっちのが簡単だ」

兄貴「そうだな。だが、端の方も慣れておかないと、いつ使うことになるかわからないからな」

レオ「うん」

ぎこちない動きながらも使ったことのない物を扱い食事を済ませていく。
そのまま追加で説明をいれていく。

兄貴「このフォーク、スプーン、ナイフはシルバーと呼ばれている」

レオ「なんでだ？」

兄貴「…知らん。見た目が銀だからじゃないか？銀は英語というものでシルバーというらしい」

レオ「ぎん？しるばー？えいご？」

そこからか…とまた頭を抱え、まずは色、道具の名称、簡単な計算などを教えていった。
気がつけば日は傾き、あっという間に1日の終わりを告げていた。

兄貴「今日はここまで…。明日の朝。復習するからな。そのあと、仕事して勉強して、夜中に稽古だ」

レオ「ぉう…夜中！？」

兄貴「当たり前だ夜目には慣れてもらわなきゃな」

その言葉を聞きレオが小さく溜息をついたのを兄貴は知らない。