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アットホームな雰囲気の店内に


高い鈴の音が響いた。








いらっしゃいませ、と先輩が笑顔で迎えれば


その人は軽く頭を下げて挨拶をした後


チョコレートの並ぶショーケースの前に立った。








黒いローキャップの下には


顔の半分を覆う大きなサングラスがあり、


治安の悪さ丸出しの服を着ていた。








その背格好とオーラに、見覚えを感じる。








先輩は驚いたように目を見開いて


慌てて私の腕を掴むと裏の方に回った。








「 どうしたんですか、急に 」


「 あの人だよッ。Aちゃんが休んだ日の朝に
この店に来たヤンキーみたいな人ッ! 」








ほんと今にも殴られそう、と


怖がっているのか貶しているのか分からず


フォローのしようがなかった。








そういえば、そんな事を言っていた様な気がする。








“ Aちゃんの好きなクランキーチョコの
パッケージを持って、買いに来たのよ? ”








とか、なんとか。








別にヤンキーみたいな人がチョコレートを


買いに来たって何も変な事じゃないんだから


そこまで騒ぐ事じゃないと思っていたけど。








…今、店にいるのは、


間違いなく私の知っている人だ。








先輩と一緒にカウンターの方へと戻れば


その人は入口辺の壁にもたれてかかっていて、


平然とスマホを触っていた。








従業服のポケットに入れていたスマホが音を鳴らす。








先輩に一言、断りを入れると


スマホのロックを解除して通知の赤い印がある


メッセージアプリを開いて確認する。








それは、








紫耀終わるまで待ってていーの?








彼からの連絡だった。








首が全角度に回ってしまいそうな勢いで


彼のいる方に視線を向ければ、


ほんの少しだけサングラスを下に降ろす。








小さく覗いたその目は、間違いなく彼のもの。








すぐそこに彼がいるという事実に


心臓が音を立てて震えた。








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さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - あぐた。さん» わぁぁぁぁぁ!ありがとうございます!! (2020年2月21日 21時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さくらんぼ&チェリー@サブさん» コメント、ありがとうございます。ベテランだなんて…まだ投稿を始めて数ヶ月も経っていない未熟者です。また作品読ませて頂きますね!(^^) (2020年2月21日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - いんこです!hit数がスゴい……ベテランさんですね! (2020年2月21日 1時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます。ただいま下書きをしております。公開予定は今週末を予定しておりますので、もう暫くお待ち頂ければ幸いです。 (2020年2月18日 10時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - いつも読ませて頂いています!是非新作も読ませて頂きたいのでパスワード教えて頂きたいですか (2020年2月18日 10時) (レス) id: ad4f41f45e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぐた。 | 作成日時:2020年1月25日 21時

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