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横を通り過ぎていくスタッフさん達が


平野さんの後ろをついていく私を見て


なんとも疑わしそうな鋭い視線を刺してきた。








『 大丈夫、これ被っといて 』








サングラスの上に付けていた帽子を


片手で器用に取ると、私の頭に乗せる。








少し大きめのメンズキャップから


ふわっ、と降りてきたヘアスプレーの香りに


心臓が擦られる音がした。








『 指輪、ちゃんと受け取ってくれた? 』


「 本番中にあんな事するなんて、心臓に悪いです 」


『 でもスリル満点だったし 』


「 そんなスリル、私はいりません 」








どこに向かっているのか、


あえてどちらも気にせずに話をする。








私が行き先を聞かない事に違和感も感じないのか


平野さんは特に何も言わずに、


自分の目指す場所に向かって歩いていた。








『 もったいないなぁ、楽しいのに 』








そう言ってこちらを振り向いてきた彼の顔は


バーにいる時と同じオーラを発していた。








楽しい事があるもんか、と


彼に乗せられた帽子を深く被ると


不意に繋がれる大きな手。








視線を手元に下げてみれば、


私の手は彼の手の中に握り込まれていた。








ジェットコースターのように急上昇する心拍数。








自然と絡まされた指は、


さらに脈数を大幅に上げた。








『 ただいま〜 』








ドアノブを回す音がして薄い扉が開けば、


先程のステージライトではなく


普通の電球に照らされた四人の男の姿があった。








岸「 どこ行ってたんだよッ 」


海「 だから人を迎えに行くって言ってたじゃん 」








彼の帰りにメンバーがざわつく中、


ここで待ってて、と中央のソファに座らされて


私の脳内はパニックだった。








平野さんに会っているというだけでも


私の心臓は限界を迎えているのに


大好きなグループメンバーに囲まれてしまえば、


それは最早、昇天と同じ事だった。








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さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - あぐた。さん» わぁぁぁぁぁ!ありがとうございます!! (2020年2月21日 21時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さくらんぼ&チェリー@サブさん» コメント、ありがとうございます。ベテランだなんて…まだ投稿を始めて数ヶ月も経っていない未熟者です。また作品読ませて頂きますね!(^^) (2020年2月21日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - いんこです!hit数がスゴい……ベテランさんですね! (2020年2月21日 1時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます。ただいま下書きをしております。公開予定は今週末を予定しておりますので、もう暫くお待ち頂ければ幸いです。 (2020年2月18日 10時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - いつも読ませて頂いています!是非新作も読ませて頂きたいのでパスワード教えて頂きたいですか (2020年2月18日 10時) (レス) id: ad4f41f45e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぐた。 | 作成日時:2020年1月25日 21時

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