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『 普通のチョコ? 』


「 いえ…シェルチョコレートです 」








言い方を迷いながら訂正すると彼は


分からないとでも言いたげな表情をして


チョコと私を交互に見つめた。








「 シェルチョコレートは、チョコの中に
クリームやジャムが入っている種類の事です 」








分かりやすく説明を施すと


納得が言った様子で首を縦に振る。








『 詳しいな。チョコレート好きなの? 』


「 好きってのもありますが…働いているので 」


『 へぇ…チョコレート関係? 』


「 はい。Jewelっていうチョコレート専門店です 」








パッケージを解してチョコレートを指に取ると


私と言葉を交わしながら


それを口の中に放り込んだ。








美味しそうに頬を緩めては


ぺろっ、と舌を唇に這わせた彼。








んー美味しい、と言葉を零しては


これまた幸せそうな笑みで空気を包む。








『 これ、良いかも… 』








こちらに視線を向けて、瞳に幸福を浮かべる。








その目に私まで幸せな気分になって


チョコを渡して良かった、と


ちょっとした高揚感に気持ちを浸した。








「 もうひとつ、あげます 」


『 ふふッ…ありがと。助かるわ 』








差し出したチョコレートごと手のひらを握られ


頭の上に彼の手を乗ったと思えば、


とんとん、と小さく跳ねた指。








全身の血液が沸騰するように熱くなって、


耳の先の先まで赤くなった気がした。








『 じゃあ、お礼にコレあげる 』








チョコレートの引き取られた手の中に


白い板紙で作られたシンプルな封筒が握らされる。








平野さんの視線が手に移る中、


そっと封筒の封を切って開けてみれば


中には彼が出演する番組名の記されたチケットが。








それから視線を上げて彼の方を見ると、








『 会いに来て 』








バックに映る夜景よりも麗々しい笑顔で


こズルく目を線にする。








私は、彼から視線を外すことが出来なかった。








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さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - あぐた。さん» わぁぁぁぁぁ!ありがとうございます!! (2020年2月21日 21時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さくらんぼ&チェリー@サブさん» コメント、ありがとうございます。ベテランだなんて…まだ投稿を始めて数ヶ月も経っていない未熟者です。また作品読ませて頂きますね!(^^) (2020年2月21日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - いんこです!hit数がスゴい……ベテランさんですね! (2020年2月21日 1時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます。ただいま下書きをしております。公開予定は今週末を予定しておりますので、もう暫くお待ち頂ければ幸いです。 (2020年2月18日 10時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - いつも読ませて頂いています!是非新作も読ませて頂きたいのでパスワード教えて頂きたいですか (2020年2月18日 10時) (レス) id: ad4f41f45e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぐた。 | 作成日時:2020年1月25日 21時

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