検索窓
今日:52 hit、昨日:54 hit、合計:1,165,028 hit

拾─side虎杖 ページ12

簡潔に言うと、先生は強かった。

颯爽とあの化け物の前に飛び出していき、まず回し蹴りをくらわせた。俺が殴ったときは全くダメージが入ってる気がしなかったのに、今回はきちんと入っているようだった。


回し蹴り、膝蹴り、かかと落とし………


足技を多く使い、的確に化け物の急所をついた。



(これが、あのA先生……?)


目の前で俺たちを庇いながら、化け物相手に平然と闘ってるのが、ずっと2ヶ月間俺らに古典を教えてたA先生?

190cm近い身長(本人曰く189らしい)で、スタイルもいい。長めの前髪から覗く目はすごい綺麗だし、顔も良い。女子から絶大な人気を得ているA先生。その上、人当たりが良くて、ノリが良いから男子からも人気がある。生徒に慕われてる良い先生、良い担任だ。




「俺にもなんかできることねーのか?」

俺たちを庇っているからか、先生が押され気味になっているのが見てとれた。そもそも最初からかなりの怪我を負っていた。やるせなさに伏黒に問うたが、彼は首を横に振った。

「無理だ。呪いは呪いでしか祓えない」

そして、伏黒は気絶している先輩たちを一瞥した。

「今あの2人を抱えて逃げれんのはオマエだけだ。さっさとしろ。このままだと全員死ぬぞ」
「先生は?」
「俺らがいるせいで集中出来てない。それに見たところ呪具……武器も無いだろう。素手で倒せるほどアイツが近接戦が得意なようには見えない」


俺らを見捨てれば簡単に助かるだろうな、と苦々しげに伏黒は言った。先生に俺らを見捨てる意思がないのは何度か庇われた伏黒が1番よく分かっているのだろう。


「呪力のねぇオマエがいても意味ねーんだよ」
「……」
(どっち道オマエは死ぬつもりじゃねーか!)


自分の不甲斐なさに腹が立った。

俺があの指を拾ってきたせいで、今何人もの人が死にそうになってる。





「なあなんで呪いはあの指狙ってんだ?」

拾壱→←玖



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1059 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2084人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

憐夏 - 好き めんどくさい兄弟関係って尊すぎる!   (2021年2月25日 20時) (レス) id: 1ae87684b0 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 伏黒の立ち位置が好きです。そして唐突に登場した歌姫も……好きだぁ。更新頑張ってください! 続編行ってきます! (2021年2月7日 3時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
るりあ(プロフ) - 800個目の星はもらったッ!! 好きです。更新頑張ってください。 (2021年1月31日 11時) (レス) id: d87d5c1f37 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - ああああああああぁぁぁ最高応援しておりまする!! (2021年1月24日 22時) (レス) id: adf56d1812 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - すっっっっ…………………………っきです。更新頑張って下さいまし!! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:葉月 | 作成日時:2020年11月25日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。