孤独の氷 Ⅱ 【被虐のノエル】 (ページ7)

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ゴミやらなにやらが落ちている道はただ暗く、目だけが頼りだった。

たどり着いた先は、先程よりも少し広い空間だった。
相変わらず海水が流れ込んでいる。
ふと、ノエルがなにかを見つけたらしい。
その方向をミシェルも見ると、そこには太いパイプがいくつもあった。

視線を上へ上へ向かわせれば、次のフロアへの入口と思われるような扉があった。
そこへいければいいのだろうが…生憎、ここにいる人間(魔人)達はクライミングなんて縁が遠かった者達だった。

「恐らく、ここはプールの底にあたるのだろう。注入口らしきものがある。」

「それならば、どうにかすれば海水が入るのではないか？」

その悪魔達の会話に、二人は一度顔を見合わせ、「あそこにバルブが/ありますわ！/あるけど。」と言った。

ノエルがいそいそとバルブの方へ向かっていくのを見てもミシェルもあとを付いていく。

(なんでだろう、ノエルは放っておけない)

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バルブはノエルの力だけではビクともせず、結局カロンに回してもらった。
その瞬間、大きな音がし、ノエルとミシェルは顔を上げた。

このフロア全ての注入口が開き、一斉に海水が流れ込んでいるのだ。

「ちょ、ちょちょっと！？」

「落ち着いて、ノエル。一回深呼吸。」

「すー、はー…って違いますわ！このままでは溺れてしまいますわよ！？」

「…それなら、注入口の真下を避けて板切れにでも捕まっていろ。」

それからは、ただひたすら水が溜まるのを待っていた。

ノエルと同じように板に捕まっていたミシェルは、この間のことを思い返していた。