桜の花弁19枚 ページ20
私は震える手で戸を開けた。
いた。彼がいた。
彼は部屋の中心の布団に横たわっている。
体には血がこびりつき、あらゆる所に包帯がきつく巻かれていた。
貴「蜻蛉切...?ねぇ、蜻蛉切.......。」
当たり前の様に返事はない。
私はヨロヨロと布団の隣に行き、とても優しい表情をしている蜻蛉切の頬に手を添えた。
貴「なんで...貴方は笑ってるの?....
そんな傷、笑い事じゃないよ....」
心の奥から熱いものが込み上げてきた。
私はいつの間にか、大量の涙を流していた。
主様も部屋に入ってきた。
貴「...蜻蛉切は、あれから、毎日私の部屋を訪れてくれました。
食事の時も、私が寝付けない時も、いつも隣にいてくれました。
私は、蜻蛉切のことが...
.
.
.....ああ、分からない。この感情が...
あの宝石に込められたあの感情...
やっぱり、貴方が居ないと...
お願い、蜻蛉切。
私を独りにしないで....
置いていかないで....」
結「.......ッ!?」
私は蜻蛉切にしがみついて泣いた。
すると、主様が私の肩を叩いた。
結「ほら!蜻蛉切さんが!」
蜻蛉切....!?
貴「ねえ、分かる!?私のこと、覚えてる!?」
蜻蛉切の手がぴくりと動いた。
蜻「.....ここは....
A...?Aか...!」
私は蜻蛉切にもう一度抱きついた。
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ラヴァ(プロフ) - 猫マシュマロさん» ありがとうございます!更新、頑張ります!! (2020年9月10日 20時) (レス) id: 872177c79b (このIDを非表示/違反報告)
猫マシュマロ(プロフ) - 面白いです!更新、頑張ってください!応援してます! (2020年9月10日 18時) (レス) id: 374dad9b55 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - ヤベーベ。早く続きが気になる。興味持ったわ。 (2019年12月2日 0時) (レス) id: d84ad9f86b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラヴァ | 作成日時:2019年8月30日 6時