ゆるゆる短編集 6【芸人】 (ページ34)

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祇園櫻井ページ34

櫻井side

『せんせー！』

櫻井｢お、やっぱり来たな｣

『あたぼーです』

3年3組AA。

可愛い教え子の一人。

櫻井｢で？今日はどこが分からんかった？｣

『あの、ここの公式なんですけど…』

木﨑｢Aーあのさー…って、げ、櫻井…先生もおるんか｣

櫻井｢げ、とは何かな？木﨑くん。さらっと呼び捨てしそうやったしな？｣

木﨑｢ちっ…なんでもないでーす｣

櫻井｢舌打ちも聞こえてまーす｣

Aと同じく3年3組木﨑太郎。

…気に食わん生徒。

木﨑｢何してんの？｣

『今日の授業で分からんかったとこ教えてもらおうと思って』

木﨑｢え…真面目なん？そんなんせんでもAは頭ええやろ、帰ろうや｣

『一人で帰ればいいやん。分からんかったとこはその日中に解決したいねん』

櫻井｢せやで木﨑くん。Aさんはこうやって努力してるから頭良いねんで。物理万年赤点の木﨑くんも見習いや？｣

木﨑｢赤点ちゃうし！ギリ回避してるし！！｣

『いや、そんな自慢げに言う事ちゃうし』

…あぁもう、はよどっか行ってくれんかな。

『あーもー分かったよ、帰ればいいんでしょ帰れば。
ごめんなさい、また明日聞きに来ても良いですか？』

櫻井｢え、あ、ええ、けど…Aさんはそれでええの？｣

『家でもう一回自分で考えてみます。その上で分からなかったらまた聞きに来ますね』

櫻井｢うん、分かった。さよなら｣

『さようなら』

木﨑｢なんなんそれ、真面目すぎん？｣

『はいはい、帰るんやろ。ほんま太郎私の事好きすぎ』

木﨑｢はっ！？そんなんちゃうし！｣

『うるさいってば』

後ろから見ても分かるほど真っ赤に染まった木﨑くんの耳を見て納得。

…なるほどね、恋敵(ライバル)って事か。