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「ありがとう、か」


最低、なんてコアラに怒られて早数日。ちょうど少し遠出をしてきたため、看病してくれた礼と遠出先に売っていた少しのクッキーを持って、Aを探していた。

なんでこんなところに参謀が、なんて顔をすれ違う部下達にされながら、うろちょろとする。

コアラには一応特徴を教えてもらったが、正直見つけられる自信はない。

その旨を伝えれば、こう言われた。


「中に居なさそうなら、外に出てみて。Aなら鍛錬中かも」





























「(────────見つけた)」




Aと思わしき人物は、銃を構え的を狙っているところだった。

それに構わず近づけば、足音と気配を感じたのか、こちらに振り向く。


「…総長?」


「集中してるところごめんな」


また、鈴のような声色。あの時と同じ声だ。


「いえ、どうしましたか?」


「あ、いや…大したもんじゃないだが、この前の礼だ」


「…えっ」


目を丸くするA。信じられない、と表情で訴えてくる。


「……そんな驚くか?」


首を傾げると、上擦った声で返された。


「いっ、いえ、あーいや、はい。驚きました」


「…そうか、そんなに俺は不誠実そうに見えるか」


「!?」


不満げにそう言えば、さらに驚いた表情になり、音が鳴りそうなほど首を横に振るA。


「違っ、その…」


「……なんてな。あはは、悪い、揶揄った」


ニヤリとしてそう告げれば、Aはぽかんと不思議そうな顔をする。しかしそれも一瞬で、直ぐにジト目でこちらを見た。

最初は無愛想な奴かと思っていたが、どうやらそうでも無いらしい。


「…良い趣味をお持ちで」


「そんな怒るなよ。本当に感謝してるんだ、何から何まで丁寧にしてもらったからな」


「看病程度で大袈裟な…」


「看病にしちゃ、水やら薬やらが手の届く場所に全部揃ってて、手厚いもんだったけどな」


何はともあれありがとう、そう伝えると、Aは「当然のことをしたまでです」と言った。

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モノクロ - 初コメお邪魔します。リクです。夢ちゃんとサボの共闘とかどうでしょうか?あと、この作品大好きです。頑張ってください! (2022年12月22日 21時) (レス) @page49 id: 668dfd3812 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2022年12月4日 23時

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