【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ31)

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──────────やっと帰ってこれた。

「なぁ、Aを知らないか？」

「総長、お疲れ様です。Aならこの下の離れに…」

部下の言葉の途中にありがとうと遮って、すぐに言われた方に向かう。

自然と駆け足になっていた。予定していたより随分と遅い帰りになってしまったから。

別に感動の再会なんかじゃない。だが楽しみだった。

「(ここか…？)」

扉の前に立つ。言われた通りの場所ならここだが、扉の横には小さな人影が。

「…誰だ？」

「ひっ！…あっ、えっと！」

「わ、悪ぃ､怖がらせちまったな」

オドオドとしている子供に目線を合わせるようにしゃがむ。

「俺はサボ。Aって奴を探してるんだが､知ってるか？」

「A、さん…なら、中にいます。でも、寝てて…」

「それで、見張り番してるのか？偉いなぁ」

「…ありがとう、ございます…Aさん、起こします…か？」

「いや、アイツがこんな昼間に寝るって事は疲れてるんだろ。部屋ん中で待つことにする」

入ってもいいかと聞けばこくりと頷かれた。

扉をゆっくりと開いて、中を見渡す。沢山のベッドが並べてあり、恐らく子供達が寝るようの部屋であることに気づいた。

「(って事は…子供の世話してたってことか？そういや子供を保護したって聞いたような…)」

普段のAなら「子供…ちょっと苦手です」ぐらいのことは言いそうなのに。意外にも好きなのだろうか。

ベッドを1つずつ見ると、1つだけ、山ができているベッドがあった。恐らくそこだろう、と近づく。

思った通り、覗き込めばAの顔があった。目を閉じて、ぐっすりと眠っている。

「…ただいま」

それを見て安心しきってしまい、独り言のようにそう呟いた。

気持ちよさそうに寝ているのを見て、自分も欠伸をしてしまう。こうなったら仮眠程度に俺も寝よう。

隣のベッドからブランケット取って、Aのベッドの横に座り寄りかかる。目を瞑って、少しすれば、あっという間に意識を手放した。