【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ12)

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「…何かしたら返していただけますか？」

「何かって？」

「何でもです。1つ、何でも言う事を聞きます、お金でもいいですよ。その代わり、それを返してください」

不貞腐れながらもそう言うと、総長は少し間をあけて、それから「…え」と戸惑いの声をあげた。

と同時に、チラッと炎が出現する。

「あー！燃やさないでください！それだけは！」

「も、燃やさねぇ！大丈夫だ。ある程度収める練習をしたから」

「ならいいですけど…」

火を収める練習ってなんだ、と不思議に思っていれば、「本当になんでもいいのか？」と聞いてくる総長。

「私に出来る範囲であれば」

「そうか…だったらもうすこし考えたいな」

「本当になんでもいいですよ。私の立場でもできる書類仕事をするとか」

「…あぁ、いいかもな、それ」

思いのほかお気に召したようで、総長は満足そうに笑った。

「じゃあ、仕事をください。今からやっちゃいます」

「それはダメだ。俺の仕事なんだから、別の場所でやったらトラブルになるかもしれないだろ？」

「あー…」

まぁ確かに、なんて思っていれば、そこにコアラさんが通りかかった。

コアラさんは総長を見て、やっと見つけたと声を上げた。

「サボくん！そろそろ仕事に戻って！」

「コアラ！なぁ、Aを今度から俺の補佐役にしてもいいか？主に書類仕事の」

「え！？」と、2つ声が重なった。私とコアラさんだ。

確かに書類仕事を手伝うとは言ったが、補佐役とまでは言っていない。

いや、言っていないが、ダメとも言っていないのだ、私が。

つまり、私の言う“お手伝い”には、“いつまで”が決められていない。裏を返せば、“ずっと書類仕事を手伝う”と解釈しても間違いでは無い。

総長はニヤリと笑って、嵌められたことに気づいた私を見た。

「Aはそれでいいの？」

「……しょうがないですね。嵌められた私が悪いです。確かに期間を設定していなかったですし」

「決まりだな。俺の部屋に机と椅子を用意しておいてくれ。Aは今からでも必要なものを俺と運んじまおう」

まぁ、何とも嬉しそうな顔でそう言うものだから、それも悪くないかとため息をついた。