[ヒロアカ] ヒーローとヴィランに愛されすぎて困っています!!4 (ページ36)

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Ｎｏ．165 ページ36

緑谷side

【報告】

ヴィラン撤退後、15分程
遅れて消防隊や救急隊が到着

生徒42名のうち、

ヴィランのガスによる意識不明の重体15名、

重・軽傷者12名、
無傷で済んだ者は13名
行方不明者2名。以上。

僕はそのうちの重傷者に含まれており、
すぐに病院へ搬送された。

あの後、ひとしきり泣き叫んだ僕は
驚くほどに体がピクリとも動かなくなった

黒崎くんも同じくキャパにより
行動不能になりそのまま意識を落とした

あれほど夜を長いとは感じたことがない

気絶から目を覚ませば、
これは夢なんじゃないだろうか？

…と現実逃避をして、
それを嘲笑うかのように全身に痛みが走り、
悶絶しては気絶する

それから再び目が覚めては
同じ事を考えて、また苦しみ嘆く…

というスパイラルの繰り返しだった

それに丸一日を使ったのだ、
もう地獄としか言いようがない

緑「………」

やっとスパイラルから抜け出して
起きた時のは朝方だと思う

何もせず、ただ真っさらな病室の天井を
かれこれ3時間くらいは眺めていた。

ふと視線を横に向けると、

この殺風景な病室には似つかわしくない
鮮やかな色のリンゴが置いてあった

『起きたら食べて電話下さい』という置き手紙

ウサギさん型に切ってある
リンゴからして見舞い人はお母さんだろう

『出久…もうやだよ。
お母さん、心臓もたないよ…』

目を腫らして泣くお母さんの記憶が蘇り、

今回も多大なる迷惑をかけたんだろうな…

そしてまた天井に目を向けた

緑「お母さん……心配してるだろうな」

そんな時だった

上「あっ、緑谷！？目ぇ覚めてんじゃん！」

芦戸「本当だ！！」

蛙吹「具合はどうかしら、緑谷ちゃん」

一人の声が、複数の声に増えてゆく

ぞろぞろと部屋があっという間に
A組で埋め尽くされた

常闇「迷惑をかけたな……緑谷」

緑「ううん僕の方こそ……
A組皆で来てくれたの？」

尾「皆、じゃないかな…」

皆の話によると

ヴィランのガスによって

未だ

耳郎さんと葉隠さんは
意識が戻っていないそうだ

それに八百万さんも
頭を強く打って意識は取り戻したものの、
簡単には動けないらしい

黒崎くんは
その後、目が覚めて今僕の前にいる

麗「…16人だよ」

轟「爆豪とAがいねぇからな」

芦「ちょ、轟…っ！！」