「喋れなくなりそ〜!」 ページ7
私の耳に聞こえたのは、何かが燃える音
「Aッ!!!!!!」
といちゃんの声が、たくさんの悲鳴が聞こえる。何かを見て怯えるような、慄く様な悲鳴が
そんなの聞こえたって私の喉は悲鳴すら出してくれない
喉から声は出ないけど、体は熱くて悲鳴をあげた。そのせいか、私の体は全身を動かして熱さを逃がそうとする
「A!聞こえる!?」
といちゃんの目には涙が出ていた。泣かせるわけにはいかないと、なんとか声を出そうとする
「_、_____」
……出ない。わたしのこえが、でてこなかった
「、この子は」
「レイド!この子やげとしてる!」
なんか焦りすぎじゃないか。さん付けするものじゃないのか
あ、きれい。だなんて、口に出せなかったけど。レイドと呼ばれたこの人は、私を包んでる炎を何とかして消化しようとしている
「早くできないの!?」
「氷が炎に勝てたら楽だよ!!!」
キレながらだけど。それでも、段々と炎の勢いは治まりつつあった
氷食べたいな…と思い、レイドさんの手から出る氷を齧った
「ちょいちょいちょい!!!ちょっとぉっ!???氷食ってんだけどぉ!」
「Aだめだよ!こんな汚い氷食べちゃダメ!!」
「おい」
私が氷を齧ったせいなのか、目の前で乱闘騒ぎが起きようとしている。これはまずい。そう思い、といちゃんの手を強く握った
「____」
声が出ないと分かっていながらも、なんとか口をパクパクと動かして伝えようとする
「A?」
「__」
さっきの炎のせいで段々眠たくなってきた。死ぬ?もしかして
「……A?まって、寝ちゃだめ」
いや無理です、とでも言いたいけど言えないから首を振る。それでもといちゃんはいやだと首を振って、レイドさんを急かそうとする
「この子は俺が何とかするから、会場付近にいるアリア呼んで!早く!」
レイドさんの一言でといちゃんは走っていった。その一方で、私の瞼は眠りますとでも言うように閉じようとしている
「…しぬ」
なんか声は出たけど、とんでもない一言が飛び出てしまった。死ぬ前にこれは人生の恥だな
「…しなない、しなないよ。大丈夫だから」
さっきまでの氷がレイドさんの気持ちに共鳴しているのか、より大きくなった。齧りたいと思ったけど、眠いから齧れない
あ、でも寝ちゃうかも。このまま
いやまさか、人生こんな短く終わるなんて……
さっきまでぼやけていた視界は、完全に真っ暗になった

331人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅刃(プロフ) - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (1月19日 16時) (レス) @page16 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
konoha - こういう設定まっじで好きです!いろんな界隈がごちゃまぜの世界線大好きで...!ましてや登場する国全部、推しとか...運命感じちゃいましたwこれからの更新を楽しみにしてます!!無理は禁物です! (1月2日 23時) (レス) @page15 id: 223fbb8a1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花菖蒲 | 作成日時:2024年10月6日 17時