風邪がうつるといけないから ページ35
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「風邪がうつらないならいいんでしょ？
チューしても」
「だっ……だめ…………」
「ダメ？」
ダメって言ってるくせに、私が大野さんから本気で離れようとしてないことに、彼は気づいてる。
むふふって楽しそうに笑いながら、逃げようと身体を捻った私を後ろからがっしりと抱き締めた。
「Aっていい匂いがするよね。おいしそう。
お腹すいちゃったなぁ」
「やっ……」
大野さんの吐息がうなじに触れて、全身が熱を持ち始める。
ぐいぐいと腰を押し付けられて、耳元に「A」なんて色っぽく名前を囁かれたら、立っていられないくらいに力が抜けた。
華奢な体つきからは想像できない力で、大野さんは私を離さない。
後ろから包み込まれるみたいに、お腹と肩に回された腕をそっと掴んだら、大野さんがくすっと吐息だけで笑って、私の首筋に顔を埋めた。
本気で抵抗したら、きっと大野さんはすぐにやめてくれる。
ダメだって思っているのに。
「A、……ベッド行く？」
大野さんの言葉にドクンと大きく心臓が動いた。
二宮くんと別れてから、男の人とそういうことをしたことはなくて、というか、二宮くんしか知らない。
二宮くんはこんな風に強引に誘うことはなくて、いつだって優しくて。
再会した二宮くんは大人になってたけど、眉を下げて笑った顔は昔のままで。
「に……」
「に？」
大野さんが不思議そうに聞き返す。
「……帰りな」
大野さんの腕が急に離れた。
大野さんはソファーに力が抜けたみたいにボフッと座って私を見上げた。
「震えてるのに無理やりやる趣味はない。
さっさと帰れ」
「あっ……」
そう言われて初めて、手が震えていることに気が付いた。
「かっ……風邪は……大丈夫？」
「俺のことより自分の身の危険を心配しなよ。
1分で出ていかなきゃ何されてもしらないよ？」
「あっ……えっ……と……」
後ずさるようにしながら大野さんから離れる。
足に力が入ってくれなくて、うまく歩けない。
そんな私を大野さんは鋭い瞳でじっと見ているから、ますますドキドキしてきて力が入らない。
「かっ……帰る。帰ります」
「うん」
大野さんがハッと天井に向かって息を吐いた。
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510kana(プロフ) - さよさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(；Д；)こちら、福岡にあるショッピングモールをモデルにしてます(笑)更新遅くて申し訳ないです｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (
レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - さとちさん» 相葉くんほんといつも片思いの役ばっかりでごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - いつも心臓を鷲掴みにされ、510kana様が描くお話に夢中なっています。私の生きがいで楽しみです。この碧空ブリーズに出てくるモールが 私が知ってる所にそっくりで^ ^ もしかして…とどきどきしてます（笑） (2018年4月3日 23時) (レス) id: 741ec03a5a (このIDを非表示/違反報告)
さとち(プロフ) - 相葉さーーーん(´；＿；｀) (2018年4月2日 8時) (レス) id: d1a92f5b5f (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» お互い同じ人のことを好きで相談しあってたって切ないですよね(´pωq`)愛され主人公しか書きたくないので(笑)これからも好かれます！！(笑) (2018年4月2日 6時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2017年12月29日 8時
