出逢い ページ11
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「疲れた……」
作ったような笑顔で２時間半のチラシ配りを終えたら、ため息が出た。
今日もお客さんは多く、エスカレーター前も人通りは多かったのだが、なかなか受け取ってもらえず地味にへこむ。
病院に戻ろうと歩いていると、フロアの一角に出来ているお店に目が止まった。
そこはフロアとフロアの間にある通路の空きスペースで、年末には抽選会をやったり、制服やランドセルの販売など季節商品のテナントが入るところだ。
長いテーブルにはハガキサイズの書がいくつか飾ってあって、後ろの衝立には少し大きめな額に入れられたものが飾ってある。
一文字の漢字だったり熟語だったり、短い詩だったり様々だ。
その文字の美しさに見とれて足が止まった。
引き込まれるように釘付けになる。
「サンタのおねーさん」
どのくらい立ち止まっていたのか分からない。
声を掛けられて、はっと我に返った。
ちょっとおいでって感じで小さく手招きで呼ばれた。
「もっと近くで見てってよ。
好きな言葉があったら今書くこともできるよ？」
私を呼んだその人は、とても優しい瞳でふふっと柔らかい吐息を出しながら笑った。
その笑顔があまりに魅惑的で、動けない。
息が止まる。
心臓の音が全身に響いてうるさい。
彼は私の感情に気づいたのか、クスッと口元を緩めてから筆を持った。
瞳に力が入って、また違う表情になった彼から目が離せない。
ゆったりとした筆の動きを目で追いながら、もっと近くで見たいのに足が固まったみたいに動かなくて、スカートを握りしめた。
「できた。あげる」
ピラッと差し出されたハガキサイズの紙には、「恋」と一文字だけ書かれている。
彼はゆっくりと私の方へ歩いて来て、「んっ」とそれを私に持たせた。
「サンタさんに俺からプレゼント。
あと、こっちは書道教室の案内なんだけど、おねーさんなら割引するから」
「えっ？……なんで？」
「なんでって……。分かんないなら教えない」
彼は急に機嫌が悪くなったように口を尖らせて、さっきまで座っていたところに戻り、私から顔を背けた。
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510kana(プロフ) - さよさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(；Д；)こちら、福岡にあるショッピングモールをモデルにしてます(笑)更新遅くて申し訳ないです｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (
レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - さとちさん» 相葉くんほんといつも片思いの役ばっかりでごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - いつも心臓を鷲掴みにされ、510kana様が描くお話に夢中なっています。私の生きがいで楽しみです。この碧空ブリーズに出てくるモールが 私が知ってる所にそっくりで^ ^ もしかして…とどきどきしてます（笑） (2018年4月3日 23時) (レス) id: 741ec03a5a (このIDを非表示/違反報告)
さとち(プロフ) - 相葉さーーーん(´；＿；｀) (2018年4月2日 8時) (レス) id: d1a92f5b5f (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» お互い同じ人のことを好きで相談しあってたって切ないですよね(´pωq`)愛され主人公しか書きたくないので(笑)これからも好かれます！！(笑) (2018年4月2日 6時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2017年12月29日 8時
