私、視えるようになりました。 (ページ47)

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「俺の推測ではあるんだけどさ、俺が元々視える人間だっただけにAちゃんに同じような影響を及ぼしたんだと思うんだよ。んで、少なからず何か異変が起きたから、Aちゃんが妖を寄せつけやすくなっちゃった部分があるんだと思う。」

「本当にごめん。些細なことから始まったことだったけど、たくさん辛い思いをしたと思う。さっきだってすごく怖かったよね……」

確かに怖いなと思うことはたくさんあった。

戸惑うことだってたくさんあったし、さっきみたいに自分が嫌になることも。

でも、その考えが少しずつ変わってきたのかもしれないと思う。

”視える”ようになったから、出会えることが出来た素敵な人たちのおかげで。

「私は、まだ自分のことについて全部納得できるかって言われたらそうじゃないかもしれません……」

「それは、本当に……申し訳ない…！」

「でも、今思い返してみたら嫌だったことばかりじゃないって、そう思うんです。さっきまでは嫌な部分が強く見えてました。だけど、視えるようになれたから辰哉くんをはじめとした素敵な人たちに出会えて、大切なことがやっと見えてきたと思うんです。」

「そもそも、私は助けてもらえたからここにいるので。だから佐久間さん。あまり、というか…もう、気にしないでください。」

あまり気にするな。

この言葉に、私は何度も助けられた。

辰哉くんから、他のみんなから掛けてもらったこの言葉に。

「そっかぁ……気にするな、ねぇ…Aちゃん、ありがとう。」

「やっぱ、一緒にいると似るのかね〜？ふっかによく言われてたなぁ。」

思い出したように言う佐久間さん。

「え？俺そんな言ってた？」

一方、辰哉くんはあまり記憶が無いみたいだ。

「いや、言ってたよ？俺にだけじゃなくて他の人にも。こんなこと言いたくないけど、ふっかって優しいからさ？その人のことちゃんと受け入れて尊重してくれんだよ。」

「おぉい！言いたくないけどってなんだよ。」

「にゃは！」

微笑み合う9人。

さっきからは想像がつかないほど、穏やかで温かい空気が流れている。

いい人たちだなぁ。

純粋にそう思う。

「あー、俺そろそろ行かなきゃだなぁ。またみんなと話せて楽しかったわ！」

「ふはっ、それは俺らも一緒だよ。」

「それはうれピーマンだね。んね、Aちゃん。これあげる。」

そう言って私に渡したのはお守りのようなものだった。