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「ちょっ！阿部ちゃん、外やばくない！？」
辰哉くんが部屋の中に慌てて入ってきた。
「うん、やばいね。でもふっかならあれくらい今からいけるでしょ？」
「え、俺？俺一人にやらせようとしてる？」
「そうだねー俺はやりたくないから。」
「んぇ、まじでー？阿部ちゃんあとでなんか奢ってよ？」
「考えとく〜コーヒーでいい？」
「ちょっと報酬軽くなーい？」
「はーい、早く行ってきてくださーい。」
辰哉くんは若干嫌そうにしていたが、肩を回しながら部屋を出ていった。
「んじゃ、やってくんね。」
「阿部さん、辰哉くんあの数相手に1人ですか…？」
「うん、ふっかなら大丈夫だよ。」
軽く言ってのける阿部さん。
「深澤第一課長ですからね〜」
「Aちゃんもコーヒーいる？」
「え、いいんですか？じゃあ、び、微糖でお願いします……ブラック飲めなくて。」
私のちょっとした恥ずかしい悩み。ブラックが飲めない。
「あ、そうなの？じゃあみんな微糖でいっか。」
買ってくるねーと阿部さんが席を立った瞬間、轟音が響いた。
「うわ、派手にやってるな〜」
こんなに大きな音……辰哉くんは大丈夫なのだろうか。
「これってなんの音ですか…？」
「えっとね、ふっかが伝えた音って言えばいいのかな？ふっか自信が出した音だと小さすぎることもあるから、より大きくできるように共鳴させて音をぶつけることもあるんだよね。」
「そんなこともできるんですね……凄いなぁ。」
「ねぇ、Aちゃんはさ、妖を消せるようになりたい？」
思いもよらない質問だった。
「どうなんでしょう……自分が妖を消す姿なんて想像できないし、ちょっと怖い気持ちもあります。でも、視えるようになってしまった以上、何も出来ないのは…なんか……ダメなやつみたいな気がしてきて……」
こんなにマイナスな感情を人前で出すのは久しぶりな気がして思わず黙り込んでしまう。
「…いきなり視えるようになって、初めて知ることがたくさんで、辛くなっちゃう時もあるだろうけど、当たり前なんじゃないかな？」
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作者名：mariri | 作成日時：2023年3月18日 18時
