私、視えるようになりました。 (ページ20)

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狛犬ならぬ…… ページ20

『至急、館内にいる者は会議室に集合願う。』

渡辺さんとも普通に話せるようになり、まったりしていたところ、急に放送がかかった。

「え、何。怖いんだけど。」

「せっかくみんなで話してんのに〜タイミング悪いで？」

「なんだろうな……」

「まぁ、とりあえず行くしかないんじゃん？」

「私は…行かない方がいいですよね？」

「あー、そうかも。Aちゃんは消すことを職業としてないから…あ、えっと、詳しいことは戻ってきてから説明する！」

「わ、わかりました。」

聞きたいことはたくさんあるが、今はやめておこう。

「あ、リョウタはAと一緒に待ってろよ。」

「ニャー」

すると、リョウタくんが私の膝にお辞儀をしてから乗ってくる。

この猫、紳士……

「んじゃ、行ってくんね。」

「はい、行ってらっしゃい…」

ここに着いた時からずっと気になっている。

この建物、入口には運送会社っぽい名前が書いてあったけど、絶対に運送会社ではない。

辰哉くんたちがしている仕事。

いくつかの部署があること。

康二くんの同業者という話も気になるし、渡辺さんだけ目が青いのも気になる。

リョウタくんとも何か関係があるのだろうか…

「ニャーン？」

膝に乗っているリョウタくんが首を傾げてこちらを見てくる。

辰哉くんたちは一体何者なんだろう。