一石二九鳥 ページ30
ぐいっと大嫌いな顔が近づいてくる。地獄か。
松田「声出すなよ。」
「ん、やめ…」
口内に気色悪い舌が侵入してくるし、
胸元をまさぐられるし、吐き気がしてくる。
「…っ臭い！きもいっ！」
なんとか勇気と力を振り絞って松田の股間を120%の力で蹴りあげる。
松田「いってぇえ！何すんだよ！！！」
股間を抑えて蹲ってる奴を放って、一目散に逃げる。
大通りに出たいけど、入り組んだ裏路地から抜け出せない。
「何でこんな入り組んでんの…。」
恐怖から足も上手く動かせない。
ポリバケツの影に座り込んで携帯を出した。
震える手で彼の名前をタップする。
無機質になり始めるコール音。
「お願い…出て……。」
携帯を握る手に力が入る。
Prrrrr___ ﾌﾟﾂｯ
銀「…なんだ？」
「銀さん…！！」
その声に安心して涙が出そうになる。
緊迫した私の声を不審に思ったのか彼の声色が変わった。
銀「どうした？！」
「松田に、襲われて…今隠れてる…。」
銀「今どこいんだ？！大丈夫なのか？！」
「すまいると家の間の何処か…現在地、送るね。
今は隠れてるから大丈夫…。」
銀「そのまま隠れてろ。すぐに行く。電話切んじゃねぇぞ。」
もう既に息が乱れてる彼の様子から、こっちに向かって走って来てくれていることは容易に分かった。
「銀さん…。」
銀「なんだ？」
「怖い…」
銀「俺がいるから大丈夫だ。
すぐにあのド変態ヤローぶっ飛ばしてやっから…
少しだけ待っててくれ。」
こんな状況なのにその声を聞くだけで安心してしまう自分がいる。
「ありがとう、銀さ…」
そう言おうとした時、自分の上に影が重なるのがわかった。
驚いて上を見ると、恐ろしい顔をした松田が立っている。
松田「お前…よくもやってくれたな…。」
「やだ…。」
銀「何があった？！」
一瞬、恐怖に怯むけど携帯から聞こえてきた彼の声に冷静さを取り戻す。
「…大丈夫だから。」
銀「おいA…」
電話は繋いだまま、耳元から携帯を離して松田と向き合う。
「ねぇ。どうせならホテル行こうよ。
ほら、外でするより良くない？」
松田「あ？まぁそれもそうか。んじゃ行くぞ。」
猫なで声で。少し上目遣いで。
身につけた営業テクをフル活用する。
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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー！！ (2022年9月24日 1時) (
レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます！！嬉しいです！！頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです！！！！！！更新頑張ってください！応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い！！更新頑張って下さいね！！！！！！！ (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです！もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氏兎 | 作成日時：2022年7月25日 0時
