一石十二鳥 ページ13
到着したのは私の家の近くのファミレス。
「ここからウチ近いんでワンチャン松田居るかもです。」
銀「マジかよ。違う店入りゃ良かったな。」
「まぁでも彼奴に坂田さんと居るとこ見せつけられるなら良いっしょ。
あ、私フレンチトーストで。」
銀「確かに。彼奴に見てもらわねェと俺らが恋人ごっこしてんのも意味ねーしな。あ、俺いちごパフェにしよ。」
店員さんが居なくなってから彼は窓の外をじろじろと見た後、気まづそうに声を発した。
銀「さっきから窓の外からこっち覗いてる男がいるんだけどさぁ、もう見つかっちゃった?」
「そいつが青い着物を着てるならそうですね。」
銀「ビンゴだな。」
「はぁ…やっぱいますよね…。ダルッ。」
銀「しっかしなんでそんなに執着されてんだ?」
「プライドだけは一丁前に高かったから、それをズタズタにされてむかつくんじゃないですか?
今日もまたポストに脅迫文入ってましたよ。」
銀「そりゃまた随分と女々しい野郎だな。」
「ほんと。私昔から男見る目ないのか、男運がないのか 変な男とばっかり付き合ってきたんです。」
銀「まぁ姉ちゃん、男に苦労しそうな顔してんもんな。」
「ちょっと、失礼じゃないですか?」
辛辣な言葉が飛んでくるけど、それよりも気になってしまったのが。
「姉ちゃんって呼び方、嫌です。
お店でおじさんに呼ばれてるみたいでテンション下がります。」
銀「それ言うなら俺だって坂田さんなんて呼ばれたかねぇよ。」
それと、その敬語もな。と付け加えている。
銀「仮にも恋人設定なんだ。
お前ェの母ちゃんに会う時こんなよそよそしいままじゃ怪しまれるだろ。」
「間違いなく怪しまれますね。」
余計な心配かけることになりそう。
名字呼び敬語なんてどんだけ亭主関白気質な男なんだと思われそう。
銀「俺のことは名前で呼べ。あと敬語禁止な。」
「名前ですか…。」
銀「ほれ、さっそく敬語。」
「あっ。」
これはもはやそういう性分だ。
男性とは距離を作りたくて、どうしても敬語で話してしまう。
「私のことも名前で呼んでくださ…呼んで、ね…。」
銀「わぁったよ。A。」
優しく微笑みながらこちらを見ている彼。
何故か、嫌じゃなかった。不思議だ。
銀「ほら、お前も早く呼べよ。」
「銀…さん。」
銀「まっ、それでいいか。」
しばらくの間、男性と深い関係になることがなかった私にとって呼び捨てはハードルが高い。
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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー!! (2022年9月24日 1時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!!頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです!!!!!!更新頑張ってください!応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い!!更新頑張って下さいね!!!!!!! (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2022年7月25日 0時