【番外編】弟が見てて思い付いた ページ15
恐らく、隠密行動の真っ最中だったのだろう、時間遡行軍(打刀)さん。
私と目が合った瞬間、表情は分からないものの、ヤッベェ…と全身で表現してくれた。
そうしてキョロキョロと周囲を見て…やがてぺこりと会釈をしてくる。
私も反射的に会釈を返す。
乱ちゃんの肩越しですまんな。
そうして隣を見ると、こっちを見てる厚。
A「ねえ、厚……見た?見た?
厚「はぁ?」
困惑顔の厚を無視してもう一度視線を戻せば、ジリジリと後退しながらも手を振っている時間遡行軍(打刀)。
それに軽く手を振り返してもう一度、厚を振り返る。
A「やっぱーい、やっぱーい見た敵さん!!」
どこぞの黄色いカナリアが白と黒の猫を見つけた時のような反応の私に、厚は神妙な顔をして頷きを返す。
やめて、バカ真面目に反応しないで!!
ふざけてる私がバカみたいだから!!
そんなことをしているうちに、時間遡行軍(打刀)は雑踏の中に紛れて消えた。
それを見送ってから一拍。
A「逃すかアホンダラァァァァ!!」
厚「逃したの大将だろぉぉぉぉ!?」
乱ちゃんの腕を抜け出し、叫びながら駆け出した私を追うように、厚もまた、大声でツッコミをしながら駆け出す。
そんな私を驚いたように全員が見る。
行安の焦ったような私を呼ぶ声に振り返ることなく怒鳴るように指示を飛ばす。
A「
もしかしたらこの付近に標的があるのかもしれない!!
薬研、行安、村正、乱ちゃんはそのまま警護に回って!!
厚、ゆきちゃんは私と一緒に奴らをぶっ潰しに行く!!」
焔「俺は!?」
マガトキ「アサヒー、あそぶのー?」
A「お前らは好きに動いとけぇぇ!」
刀剣たちに指示を出すと、いつもはフリーダムに動く妖怪組が今日に限って指示を仰ぐ。
……いや、マガトキはそうでもないか。
いつも通りのフリーダムだった。
そんな2人にも怒鳴り声を返し、走る足は止めないまま、懐から
煙草も入ってないソレを咥えて霊力を流し込むと、不思議なことに煙が立ち上る。
ソレを吸い込み、そして吐き出したと同時に小さく呪文を唱える。
A「おいでませ、おいでませ
我は汝を待ち望む者
我が声を聞き
我が声に応じ
我が前に姿を見せるは汝なり
汝の名は露煙
今ここに姿を現せ」
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