ページ33
・
クリスマス休暇がやってきた。
ハロウィン以降も事件は立て続けにおこり、ゴーストのほとんど首無しニックまでもが被害にあったというので、ホグワーツ中が大混乱だった。
そのおかげか、ほとんどの生徒がクリスマス休暇に家に帰った。
今年は孤児院で病が流行っていたわけでもなかったのだが、夏休みに年下の相手をしたことを思い出すとAは帰る気が失せてしまった。
それに、きっと他の人達も、気味が悪い女の子が戻っても嬉しくなどないだろう。
・
人が全然いない大広間での食事は有意義だった。
グリフィンドールのテーブルとは対照的に、スリザリンのテーブルはAしかいなかった。
楽しそうな様子のグリフィンドールのテーブルをチラリと見て、なんだか途端に惨めな気分になった。
「Aー！」
手を振りながら「こっちに来いよー！」と叫んだのは、グリフィンドールの輪の中にいる双子の片方だった。もう一人の双子と、いつものハリー、ロン、ハーマイオニーの三人組もいる。
ロンはギョッとして「兄貴！？」と叫んでいた。
聞こえなかったフリを決め込もうとしたが、ハリーが笑顔で「おいでよ！」と手招きをしてきたので、おとなしくグリフィンドールのテーブルへ行った。
「久しぶり、君も家には帰らなかったんだね」
「そうよ。人が少なくて快適ね」
それから六人で夕食を食べた。彼らの話題は クリスマス休暇中は自由に使えるグリフィンドール塔で何をするか というのでもちきりだった。
グリフィンドールは、彼ら五人とパーシー それから妹の ジニー しかホグワーツに残らなかったらしい。
「いいわね、楽しそうで」
「スリザリンじゃあ、さすがにそういうことはしないか」
「そりゃあそうだぜハリー、あいつら冷めてるからな____おっと、君のことじゃないぜ」
ふっと笑って「わかってる」とAは答えた。
「スリザリンで残ってるのは、知ってる限りじゃクラッブとゴイルとマルフォイくらいよ、するわけないわ」
双子は大袈裟に「マーリンの髭！」と頭を抱え、ハリーとハーマイオニー、それからロンまでもがAに同情の視線を送った。
「特に問題はないわ」
「大アリだよ！」
双子の片方が食い気味に叫んだ。
「君、せっかくのクリスマスをそんな奴らと同じ屋根の下で過ごすのか！あんまりだ！」
「言い方に語弊がある気がするけど」
「Aも今夜はこっちに来いよ！そうしよう！それがいい！」
Aの拒絶の言葉には耳もかさず、そのまま彼ら____ロン以外____に無理矢理グリフィンドール塔へと連れて行かれた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 391人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuu(プロフ) - ハリーオチも見てみたいって思ってしまいます🥺 (1月28日 21時) (
レス) @page18 id: 2fc2dde4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - さくらねこさん» コメントありがとうございます！更新を楽しみにしてくださる方がいるとわかって、すごくやる気が湧いてきました！こちらこそ、今後もぜひよろしくお願いします！❤︎ (2023年3月11日 21時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
さくらねこ(プロフ) - 最近は、この作品が投稿されるのが待ち遠しい日々です。更新楽しみにしています！ (2023年3月11日 19時) (レス) id: 3e43640b9a (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - ちぢぶさん» コメントありがとうございます！自分で書いていてわかりにくくないか不安だったのでそう言っていただけてすごく嬉しいです！✧私も主人公ちゃんの性格大好きなのでもっとたくさん魅力を引き出せていけたらなと思います！こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月8日 15時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - コメント失礼します！情景がすっと思い浮かんでくるような描写の仕方やキャラ達の個性が引き立つセリフの言い回しがとっても好きです...！主人公ちゃんのキャラクターも素敵で、キャラ同士の絡みも読んでてワクワクしました...！これからも応援しています！ (2023年3月7日 17時) (レス) @page27 id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年2月21日 12時
