ページ30
・
ハリーはAと別れて寮に戻る途中、あの日、一年生の学期末のパーティーの日、保健室でのダンブルドアとの会話を思いだした。
━━━━━
「そうじゃ、きこうと思っておったんじゃが、ミス・ケイオスとはあれからどうじゃ？」
「Aですか？何回か話しました____Aと話すのは楽しいです」
「そうかそうか」とダンブルドアは優しく笑った。
「わしは、君と彼女には似ているところがあると思っておる。それは君もきっと感じておったことじゃろう。彼女は____もしかしたら、君は既に知っておるかもしれぬが、彼女は君と同じで、幼いときに両親を亡くし、それからずっとマグルの世界で、魔法とは何も縁がない場所で育てられてきたのじゃ」
「僕____僕、知りませんでした」
ハリーは驚いた。そして、前から感じていたシンパシーの正体はそれかもしれないと思った。
「もちろん君とは違う部分もある。君にはあって、彼女にはないもの____仲間じゃよ、ハリー。彼女はちと頑固なところがあるからの。君とは違って、友を、仲間を愛することを、まだ彼女は知らぬのじゃ、いや、知りかけている段階かもしれぬがな」
ダンブルドアは先程耳クソ味に当たったにも関わらず、「今度こそは大丈夫じゃろう」と、また百味ビーンズを物色し始めた。
「君と同じで、こちらの世界のことを彼女は何も知らなかったが、君がミスター・ウィーズリーやミス・グレンジャーに助けられてきたのに対し、彼女は大抵のことは一人でできてしまう強さを持っておった____じゃが、それは、まだ十ニ歳の少女が持つべきではないものなのじゃよ。じゃからなハリー、彼女のことを、どうか嫌いにならんでやってくれ」
そう言い、ダンブルドアは百味ビーンズをまた一つ口の中に放り込んだ。今度は耳クソ味ではなく、青りんご味だったようだ。
「僕、Aのこと嫌いじゃないです！」
「スリザリンなのに話がわかる」と続けて言おうとしたが、すんでのところで飲み込んだ。ダンブルドアの前でスリザリンの悪口を言うのはよくないと思ったのだ。
ダンブルドアは軽快に笑った。
「おぉっと！しまった！年をとると時間を忘れてすっかり長話をしてしまうわい。そろそろわしはお暇させていただこうかの____そうじゃ、最後にケイオスに伝言を頼む。『かぼちゃパイはたらふく食べられたかね？』とな____」
━━━━━
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 389人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuu(プロフ) - ハリーオチも見てみたいって思ってしまいます🥺 (1月28日 21時) (
レス) @page18 id: 2fc2dde4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - さくらねこさん» コメントありがとうございます！更新を楽しみにしてくださる方がいるとわかって、すごくやる気が湧いてきました！こちらこそ、今後もぜひよろしくお願いします！❤︎ (2023年3月11日 21時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
さくらねこ(プロフ) - 最近は、この作品が投稿されるのが待ち遠しい日々です。更新楽しみにしています！ (2023年3月11日 19時) (レス) id: 3e43640b9a (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - ちぢぶさん» コメントありがとうございます！自分で書いていてわかりにくくないか不安だったのでそう言っていただけてすごく嬉しいです！✧私も主人公ちゃんの性格大好きなのでもっとたくさん魅力を引き出せていけたらなと思います！こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月8日 15時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - コメント失礼します！情景がすっと思い浮かんでくるような描写の仕方やキャラ達の個性が引き立つセリフの言い回しがとっても好きです...！主人公ちゃんのキャラクターも素敵で、キャラ同士の絡みも読んでてワクワクしました...！これからも応援しています！ (2023年3月7日 17時) (レス) @page27 id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年2月21日 12時
