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寮に戻る道中、マントの中では苦しい沈黙が続いていた。
ついさっきあったばかりのニ人が、マントの中で密着して歩いているのだから無理もない。
ハリーはというと、隣で歩くスリザリンの女の子が不思議でたまらなかった。
最初は気の強いスリザリンの女の子、という印象だったし、ロンからも「なるべく関わるな」と釘を刺されていたから警戒していたというのに、まさかあのスリザリンの生徒がハリーに愛想よくお礼を言うだなんて！
ハリーが知っているスリザリン生は皆、ハリーを馬鹿にして揶揄ってきたり、「チヤホヤされて調子に乗ってる」だのなんだの陰口を叩いてきたり、ハリーに嫌悪感剥き出しの奴らばかりだった。
「とりあえず自己紹介しない？僕ハリー・ポッター」
沈黙を破ったのはハリーだった。
Aは一瞬面食らったが、すぐに困ったような笑顔を作った。
「もちろん知ってるわよハリー・ポッター。私はA・ケイオスよ、あなたも知ってるでしょう？」
「ウン、そうだった、僕ちゃーんと知ってるよ」
ハリーは自分のおかしな話の切り出し方に恥ずかしさを感じて顔を真っ赤にした。
「無理しなくていいのに」というAの言葉に、ハリーはうずくまってしまいたい衝動にかられた。
それからニ人はポツポツと会話を続け、次第に盛り上がっていった。
Aは珍しく笑い声をあげた。
ハリーには"マルフォイをぶん殴ったスリザリンの子"と覚えられていたようで、Aは少し恥ずかしかった。Aがマルフォイのことを「将来絶対禿頭」と揶揄したらハリーにはひどくウケた。
「君は一体、鏡に何が見えたんだい？」
暫くして、意を決してハリーが聞いた。
「秘密」と答えようとしたが「僕は言ったんだから君も教えてくれたっていいだろう？」とハリーが言ってくるので口をつぐんだ。
ダンブルドアが勝手に言い出したせいでAにバレてしまったとのでハリーが自分から教えたことにはならないはずなのだが、しかし、Aが知ってしまったことには変わらない。
Aは適当に嘘でもつたえて誤魔化そうかと思った。
しかし、去り際のダンブルドアの言葉を思い出して、Aは口を開いた。
「私が、楽しそうに、笑ってた____それじゃあ、スリザリンの寮はこっちだから」
Aはそう言って、ハリーには顔も向けずにマントの中から出ていった。
か細い「マントに入れてくれてありがとう」の声を、ハリーは聞き逃さなかった。
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yuu(プロフ) - ハリーオチも見てみたいって思ってしまいます🥺 (1月28日 21時) (
レス) @page18 id: 2fc2dde4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - さくらねこさん» コメントありがとうございます！更新を楽しみにしてくださる方がいるとわかって、すごくやる気が湧いてきました！こちらこそ、今後もぜひよろしくお願いします！❤︎ (2023年3月11日 21時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
さくらねこ(プロフ) - 最近は、この作品が投稿されるのが待ち遠しい日々です。更新楽しみにしています！ (2023年3月11日 19時) (レス) id: 3e43640b9a (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - ちぢぶさん» コメントありがとうございます！自分で書いていてわかりにくくないか不安だったのでそう言っていただけてすごく嬉しいです！✧私も主人公ちゃんの性格大好きなのでもっとたくさん魅力を引き出せていけたらなと思います！こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月8日 15時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - コメント失礼します！情景がすっと思い浮かんでくるような描写の仕方やキャラ達の個性が引き立つセリフの言い回しがとっても好きです...！主人公ちゃんのキャラクターも素敵で、キャラ同士の絡みも読んでてワクワクしました...！これからも応援しています！ (2023年3月7日 17時) (レス) @page27 id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年2月21日 12時
