27 靴箱 ページ29
バサバサ
「………」
いつも通り登校し、いつも通り靴箱を開けると、たくさんの手紙やらなんやらが溢れるぐらい入ってました。
これらは全部、俺に向けたものではなく、IDOLiSH7のメンバーに向けたものである。
どうやら俺が小鳥遊事務所の関係者と身バレしたらしく、最近毎日のようにこうやって貢ぎ物が俺に届くようになった。
それも、直接これ渡しておいて欲しい、と頼まれず、そっと靴箱の中に入れられる。
…俺が不良だからかもしれないけど。
メンバーが有名になってきたのは嬉しいけど、俺の靴箱をメンバー愛で埋めるのは辞めて欲しい今日この頃。
「おはよ、A。またラブレター？」
教室でプレゼントたちを丁寧に鞄に入れ直していると、シキがひょこっと現れた。
「迷惑だよなぁ…。自分で渡しに来いっつの」
「いや、まだ間接的に渡されたほうがまし…」
直接来られたら対応に困るし受け取れないしな。
「おっクッキーじゃん！食べ物とかどーしてんの？」
「俺が毒味してる」
「A……」
「違う！食べたいとか思ってないからそんな目で見んな！」
今度ケーキ屋行こうな、と何故か頭を撫でられた。解せぬ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
帰宅してからメンバーに今日の分の貢ぎ物を渡した。
「電動歯ブラシ…？」
「よかったね、環くん」
一つだけ妙に重い箱があったと思ったら電動歯ブラシかよ…。
「…びみょー…。
そー言うそーちゃんは何貰ったんだよ」
「僕はファンレターだけだよ」
「ふぅん。…げ、男からかよ」
そんなMEZZO"の声を後ろで聞きながら、俺は今、一織さんに説教されていた。
「こうしてAくんがプレゼントを持って帰ると、プレゼントの量は増える一方ですよ？
もう素直に受け取って持って帰るのは辞めてください」
「…ごめんなさい」
仁王立ちする一織さんを前に、正座する俺。
いつもより一織さんの顔が怖くて直視できない…。
そんな状況から助けてくれたのは、三月さんだった。
「持って帰るのは手紙だけにしたらどうだ？」
「手紙…だけ？」
「おう。物も貰ったら嬉しいけど、なんだか気が引けちゃうからなぁ…。手紙だと、好きって思いがすごく伝わるし、大切に保管できるしな」
これに一織さんは頷いて同意し、俺に手紙だけならいいですよ、と俺の頭に手を置いた。
「わかりました…。頑張ります」
二人は何を頑張るんだ？とでも言いたげな顔をしていた。
まずは靴箱に鍵つけないとだな…。
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弥生 - 今まで読んだアイナナの男主の中で、一番面白かったです。 (2021年9月20日 20時) (
レス) id: a8e691c982 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» コメントありがとうございます！随分前のお知らせでしたので困惑させてしまいましたね、すみません(^^; 更新待っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年2月1日 18時) (レス) id: 137c45cd89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 間違えました！！！！ですけどまた更新待ってます (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 来年の三月まで待ってます！！ (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 早く続きが読みたいです！お願い致します (2020年4月22日 11時) (レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらんぼ | 作成日時：2016年5月8日 12時
