14 酒の力 ページ16
なんだかんだで我に返ったAくんを中心に、歓迎会が始まった。
「Aくん何食べる?とってあげるよ」
少し緊張気味なAくんに声を掛けると、戸惑いながらお礼を言われた。
そして小さく肉…、と呟いたのを聞いた僕は皿に野菜を少しのせてから肉をのせた。
「はい、どうぞ。
それと、僕のことは名前で呼んでほしいな」
「ありがとうございます。…壮五さん」
「どういたしまして」
そう言いながら僕はAくんの頭を撫でた。
なんだかこの子を見ると構ってしまいたくなるのはなんでだろう?
「そーちゃん、俺も」
「あ、うん。…はい、環くん」
服を引っ張られた方を見ると、環くんが僕に皿を差し出していた。
環くんには野菜を多めに肉少なめにのせた。
ああ、そうか。
環くんにどことなく雰囲気が似ているんだ、彼は。
「ええ〜。野菜、多くねえ?」
「そう?気のせいじゃないかな」
環くんのしつ…、教育をしていると、Aくんの背後に忍び寄る影が。
「おいA〜、飲んでるか?」
「?!」
大和さんが後ろから座っているAくんを抱きしめた。
Aくんの頭に顎を乗せて満足気な大和さんは、完全に出来上がっていた。
「うえ、ヤマさん酒くせぇ」
しっしっ、と環くんに言われても大和さんはAくんから離れるどころか、さらに密着してうなじに顔を押しつけた。
それまで固まっていたAくんがハッとして後ろの大和さんを肘で攻撃した。
「触んなおっさん!」
「いった………おっさんじゃなくてお兄さんって呼びなさい」
「うるせぇ触んな!」
ニヤニヤとしながら懲りずにまた抱きつこうとする大和さん。
「大和さん、一回落ち着きましょう」
「あー?、なんだよ。お前も飲めよ〜」
「んんっ?!」
「やばい!!そーちゃんが酒飲まされた!!」
「四葉さん、食事中ですよ。走らないでください」
「一織〜、たまには俺のことほめてよ〜」
「はいはい、七瀬さんすごーい。すてきー。これでいいですか?」
「ふへへ、うん。いいよ〜」
「もしかして、りっくんも酒飲んだ?」
「ええ。目を離した隙に」
「マネージャーは?」
「大和さんに飲まされて潰れました」
「ナギっちとみっきーは?」
「仲良く寝てます」
「たぁく〜ん」
「げ、来た」
「Aくん担ぎ上げてますけど」
「今日の武器はまだかわいいほう」
「は?」
後日、そーちゃんから昨日の記憶がない、と宣告された。
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弥生 - 今まで読んだアイナナの男主の中で、一番面白かったです。 (2021年9月20日 20時) (レス) id: a8e691c982 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» コメントありがとうございます!随分前のお知らせでしたので困惑させてしまいましたね、すみません(^^; 更新待っていただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2021年2月1日 18時) (レス) id: 137c45cd89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 間違えました!!!!ですけどまた更新待ってます (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 来年の三月まで待ってます!! (2020年12月14日 22時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬 - 早く続きが読みたいです!お願い致します (2020年4月22日 11時) (レス) id: 9df39f7e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2016年5月8日 12時