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そして時刻は午後23時
良い子は寝る時間である
A「結局お願い出来なかった…」
そう、散々太宰さんとお話ししたくせに、その話は切り出せなかったのだ
A「どうしよう…」
お願い出来なかったと云う事はお願いするなと云う事だろうか
私、太宰さんに嫌われたくないんだけど…
………
A「太宰さん？」
めっちゃ悩んだ
めっちゃ悩んだ末、一度お願いしてみれば良いじゃない！という楽観的思考に至った
うん、そう、これは楽観的なのだ！
おばかなんじゃなくて楽観的なのだ！
私は少し大きめの枕を抱えて太宰さんの部屋に突入していた
太「ん、どうしたの？」
私が来るまで本を読んでいた為、ベッドサイドランプの灯がついている
A「あ、のさ…えーっと」
太「うん」
優しく此方の様子を伺っている事が分かる
その姿に背中を押されて云ってみた
A「今日、一緒に寝て良い？」
太「うん………う"んっ？！」
A「へ？どっち？」
ダメかな…？
太「あ、いや、良いんだけど、どうしたの、急に」
A「最近夢見が悪くて」
太「夢？」
A「うん。蒼が出てくる夢。蒼は最後には必ず死んじゃうの」
太「そっか…ほら、早くおいで。冷えるよ？」
案外早めに許可が降りたことに驚いて枕に半分埋めていた顔を上げ、いそいそと太宰さんのお布団の中に潜り込んだ
A「あったかぁ〜」
ほわぁ〜っとした感じで云えば、太宰さんは呆れたような笑顔で私の頭を撫でて云った
太「ほら、もう寝給え。魘されてたら起こしてあげるから」
A「ん〜」
素直に返事をして目を瞑る
眠りに落ちるのに、そう時間は掛からなかった
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作者名：紫乃 | 作成日時：2023年1月30日 17時
