小さな約束【紫】 (ページ2)

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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

｢な、鳴らしてしまった...｣
私は今,深澤家の前にいます。
昨日話した深澤さんちです。

･･そう
おかしいと思ったでしょう！？
私がお父さんの天気の話を聞いたのは昨日。
小林宅のインターホンを鳴らしてるのは今日。
･･･明らかにおかしいよね？

母｢ごめーん！たっちゃんママとばっかり盛り上がってて肝心のAちゃんにはなすのすっかり忘れてたんだけどお父さんとお母さんには日本を発つのっ♪｣

私のお母さんは....天然。究極のね...

でも..それも今回は特別に許そう！

だって...

辰母｢ガチャッ...ごめんなさいっ、Aちゃーん！今開けるわぁっ！♪｣

｢あっ、はーいっ！大丈夫っ♪｣

だってだって...！！

ガチャッ !!!!

辰母｢きゃーーっ♪ Aちゃん、いらっしゃあいっ! 待ってたわよーっ｣

この家には ....

｢おばさぁんっ !!ありがとうございますっ!!今日からお世話になりますっ！｣

辰母｢辰哉もAちゃん来るって言ってたら喜んでたわよっ♪｣

私が小さい頃からだーーいスキな!!

｢ほっ、ほんとに！？｣

辰兄がいるだもんっっ♪

こんなありえない状況もきっと神様が与えてくれたチャンスなんだわっ！！

辰母｢おばさん、うれしいわぁっ♪ お父さんも単身赴任中でいないし... Aちゃんタイミングいいわよ♪｣

おばさんは玄関を開けながら言った。
ドアの向こうは見慣れた玄関。

辰母｢今さらいらっしゃいって言うのもなんか変ねっ。あがって！｣

見慣れた廊下を通り、奥にあるこれまた見慣れたリビングに行く。

｢なんか...ここに来るのは普通のことなのに、今日から住むって思うと不思議な感じだね｣

そう言うと、おばさんはニコッと笑った。
小さい頃からここにはたくさん遊びに来ていた。
うちと深澤家は昔っから家族ぐるみの付き合いなのです。
昔っからこの家は変わらないんだよなぁ.....

｢あれっ、おばさんっ、辰兄はっ？？｣

辰母｢辰哉？多分部屋で寝てるわよっ。起こしてきてくれる？？おばさんは夕飯のしたくしちゃうからっ♪｣

｢はぁーいっ｣

階段を上がると突きあたりが辰兄の部屋

コンコンッ

｢たつにぃー！Aだよ！起きてる？｣

... シーン
反応無し

｢まぁ... わかってるけどね ♪｣

このくらいじゃ起きないってこと

カチャ...

辰兄の部屋のドアを開ける

｢爆睡してる....｣

ベッドの上には、スースーと寝息をたてて気持ちよさそうに寝ている辰兄がいた