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「ラテ、3つお願いしてもいい?


ジョンハンさんが言う。


「はい。
 少々お待ちください」


名前を呼ばない。
雑談もしない。


それが、
今の私の選んだ距離。


「……Aちゃん」



名前を呼ばれたことだけでも
胸がドキっとする。


振り返ると、
ジョンハンさんが少しだけ眉を寄せていた。



「何かあった?」


「…いえ」





「何もないですよ」



嘘をつくことに慣れてきていた。



「そっか」



納得していない声。



「ならいいけど」


「…ラテ、3点ご用意
できました」


「ありがとう」



ジョンハンさんの声は、
前より少しだけ低かった。




去り際に小さく言われる。


「……無理、してないよね?」


聞こえるか聞こえないか、
ぎりぎりの声。



私は、
笑って頷く。

「大丈夫です」



それ以上、
何も言わずに三人は店を出た。



ドアベルの音が、
いつもより長く耳に残る。



この曖昧な距離が、
いちばん苦しい。



それでも日常は、
止まってはくれなかった。


「いらっしゃいませ」

私は深呼吸して、
次のお客さんに向き直った。

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作者名:tymyrt | 作成日時:2025年12月22日 18時

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