無限の未来 15th season (ページ46)

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746話ページ46

【ジェシー】

赤「しんどくなったら、いつでも支えるから。ちゃんと言ってね？」

「ありがとぉ」

昼公演の様子を受けて、夜はトロッコに乗る回数を増やしたり、一人で客席の方を回ることがないように、演出が変更された。

Aがどうしてもお客さんの近くまで行きたいということへの想いを聞いて、反対する人なんて、誰もいなかった。

「じぇす…ｯﾊｧ、さんそ…」

赤「っと。ちょっと待ってね…ん、吸って～」

青「あれっ、苦しくなった？」

赤「ソロ終わって、帰ってきたら呼び止められた。酸素取りに行こうとしたら、痺れちゃって立てなかったみたい」

ギュッと胸のあたりを掴んで、小さな声で“痛い…”と呟いているから、心配で俺まで冷や汗かきそう。

隣の樹がAの腕を取ると、鋭い表情に変わった。

赤「どう…？」

青「A、ゆっくり息できる？ちょっと、バクバクして気持ち悪いね…うん、そうそう」

青「酸欠でめっちゃ脈速い。MC、椅子で…」

ス「樹、OK！椅子は用意してあるし、すぐ変更する！A、ゆっくりね！」

赤「俺、他のやつらに伝えておくから、樹はAについててあげて」

バタバタとしている舞台裏でも、俺たちの声を逃さず聞いて、先回りで動いてくれるスタッフさん。

Aが一番信頼しているスタッフさんと、マネージャーのうーちゃんが、樹と一緒についていてくれた。

赤「A、ちょっと酸欠ひどいみたいで」

黒「ああ、マジか。じゃぁMC椅子にする？」

赤「さすが北ちゃん、理解が早い！」

緑「俺、きょもと高地に言っとく！」

メンバーの対応力も凄くて、あぁ、やっぱりこのメンバーだからこそ創れるものがあるんだって思う。

青「てか、マンズ兄さんからLINEきた？」

緑「きた！グループでしょっぴーから来なかった？」

赤「あれ男LINEだから、Aがキョトンとしてる」

緑「まぁA出して欲しいだけだしね。野郎に送って満足したんだろうね？」

MC中、俺の隣でまだAの肩は大きく上下していたけど、それでも楽しそうなAは、やっぱり緊張したって、不安になったって、ライブが好きなんだ。

お客さんと、触れ合えるこの空間が。