無限の未来 15th season (ページ1)

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701話ページ1

【高地】

奈良でのロケは、色々あったけど、なんとか無事に終えることができた。

室「ほんなら。また、頼むな？…A、ちゃんとメンバーのこと頼りや？」

「わかってる」

室「あと！…康二のこと、頼むな？」

2019年、冬。

また俺たちの周りは、大きく、大きく動いていた。

それを、Aがこの短期間に、グーっと自分の中で静かに噛み砕いていく姿を、この数ヶ月、目の当たりにしてきた。

黄「A、大丈夫か？」

「あ…こーち。…うん！大丈夫」

黄「本当に？無理してない？」

「うん。してない。…なんかさ、もう、他のグループとか、他の誰かのことを、気にしてる場合やないなって…そう思ったんよ、今回のことで」

黄「Aらしくはないけど…その通りだね」

ふざけて、大人になったんだな〜って冷やかしながら頭を撫でれば、反抗してくるかと思ったけど、そんなことはなかった。

ポロッ、ポロッ…と静かに涙を落として、でも、それを隠すみたいに、グッと上を向いた。

黄「泣けばいいのに。…また定期的な、泣き虫封印期間か？」

「そういう、ことに…しておいて」

一番後ろの窓際にAを座らせ、その隣に俺も腰を下ろす。

東京へ戻るまでの間、Aは何度かポロポロと涙を流したけど、その度に、俺の服をキュッと握って、また先程と同じように天を仰ぐ。

黄「樹。寝たよ、A」

青「あ、ほんと？」

黄「Aなりに、色々考えてんだろうな。ほんと、不器用な子だよ」

緑「高地、あんま虐めんなよ？」

黄「お前には言われたくねぇよ」

ずっと長い間、“兄貴分”として慕ってきたSnowMan。

この世界に入った時からその背中を見て育ってきて、何度だって叱ってもらって、厳しくしてもらった。

その兄貴たちと、ここ数年は少年たちをはじめ、色んな仕事を一緒にする中で、一緒に突っ走ってきたつもり。

そんな中で、頼れる兄貴たちが下した“決断”は、やっぱり俺たちにとっても衝撃だった。

黄「Aの言う通りだ。他と、自分たちを比べてる暇なんて…ないよ。俺らは、俺らでやっていけばいいし、そうするしかない」

返事はないけど、きっと7人とも同じ気持ちだよな。