無限の未来 11th season (ページ33)

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533話ページ33

【高地】

黄「久しぶりに、足痛むみたい。樹がついてるけど、結構しんどそうだわ」

黒「あら。大丈夫かな、明日から大阪入りしないとだけど」

黄「どうだろうー？」

明日からは大阪入りをして実際の会場に入ったり、一緒に出てくれるメンバーと振りを合わせたり、向こうの番組に出たり…

ここのところ、幻肢痛で眠れないという日はほとんどなかったのに、ここ最近のレッスンの疲れや、手術からの治療の影響かな。

黄「どうー？あ、これ。一応痛み止めと…ココア」

青「お、さんきゅ。さっきまで汗ぐっしょりだったけど、ちょっと落ち着いたかなぁ…ね？」

そう言って、Aの額の汗をさっと拭う樹の目は、久しぶりに見る、Aにだけ向ける優しい目。

その目も俺は、久しぶりに見た気がするよ。

黄「明日はホテル入るだけだし、2人だけゆっくり行けないか聞いてみよっか？」

「ええよ…明日には治ると思うし」

黄「でも、それじゃぁ寝れないでしょ？寝てないまま大阪入りして、何かあったらどうするの？」

青「A、今回は甘えよっか。俺もあとから一緒に行くし」

最後はAが引く形で、俺がチーフマネージャーさんに伝えれば、もともとチェックインの都合で早めの時間にしていただけだから

他のメンバーが先に入れるなら2人だけあとから来るのは何も問題ないって。

新幹線も、“時間変更するだけでいいから気にしなくていいよー”って言ってくれたマネージャーのうーちゃんは、ここ数ヶ月でかなり俺たちに馴染みつつあるし、頼もしい兄貴。

青「大阪行ったら何したい？」

「んー、また…みんなで、行きたいね、ﾊｧｯ…テーマパーク」

青「今回は、短いから無理でーす」

「わかって、まぁす…ｯ！」

黄「痛い？」

「いま、ちょっと…ズキって。でも…大丈夫」

“こーちのココア、美味しいから大好き”なんて言いながら、小さな両手でマグカップを包むAに少しだけ安心する。

本当は、スポドリでも飲ませた方がいいのはわかってるけど、Aが喜ぶなら、安心できるなら、またいくらだってコレを淹れようと思っちゃうんだ。

俺だって単純なんだよ、A。