501話 ページ1
広島でのライブが終わって、大阪の長期滞在までの数日で、3クール目の治療を受けた。
ちょうど大阪入りしたくらいから、治療後しばらくの間現れる食欲不振期間が被ってしまったこと以外は、思ってたよりも順調。
検査してみても、順調に薬の効果が現れてきていたことも、私を前向きにさせてくれた。
それともう一つ。
安田「A！」
「しょーちゃん！」
言わずもがな、幼い頃からお世話になってしかなかった、大好きな章ちゃん。
“安田くんなんて、距離感じるやん〜”って言って、頑なに安田くん呼びを許してくれなかったから、今でも章ちゃん。
今では…コッソリ闘病を続ける仲間。
「章ちゃんも…やっぱり、言わへんのですか？」
安田「んー。言わへんなぁ〜。生きてるし」
「泣いてましたよ…大倉くん」
安田「怒られたわ」
章ちゃんの頭に、腫瘍が見つかったのは今年の冬。
年が明けて、すぐくらいだったと思う。
私も、知らなかった。
どころか、メンバーの兄さんたちでさえ知らなかったって。
「言わずに闘うなんて…できひんかも」
安田「んー？いいんよいいんよ、僕はそういう方法をとったけど、AはAやん？女の子はな、甘えたらええねん」
「そう？」
安田「もちろん、1人で悩む時間も必要やで？でも、Aはもう散々自分と向き合ったやん」
安田「やからな、もう隅っこで隠れて泣かんと、みんなの前で…大声で、泣いたらええ。なんも恥ずかしいことあらへん」
安田「男はな、守ることで強くなんねん。やから、あの子らのためにも、Aはメンバーに今まで通り、しんどい時は、甘えたらええんちゃうかな？」
“ AがAである事が生きてる意味やで？”
章ちゃんの言葉が、重たく、優しく、私の胸にこだました。
情報共有しようや〜って、そんな風に言ってくれる章ちゃんが…少しだけ、ともくんと重なった。
そんな私に気づいたのか、俺はしぶといで？って、そんな風に笑ってくれた。
章ちゃんは、大好きな先輩で、新たな私の闘病仲間。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2020年12月15日 20時
