優しいにぃにはお休み中 ページ21
【樹】
青「だったら勝手にしろ！」
黒「…！」
“バンッ！”
“ダンッ！”
勢いよく閉められたリビングの扉は、その衝撃に耐えきれず半開き。
北斗に怒鳴るなんてこれが初めてのような気がする。
静かになったリビングを伺うように入ってきたのはAで、そーっとこちらを見ている。
青「いいよ、入っておいで」
「っ…」
1週間ほど体調を崩して学校をお休みしているA。
今日もなんとも言えない体温は下がり切らないままで、まだ北斗へのイライラが少し残った俺にぎゅっと抱きついてくる体はまだ微熱でぽかぽかしてる。
「にぃに…怒ってた…」
青「んー…ごめん。パパ、にぃにとちょっと喧嘩しちゃった。怖かった？」
「ん…」
青「ごめん、ごめん。Aに怒ってるわけじゃないからな？」
ここのところ、北斗がプチ反抗期気味。
大人たちの話は三分の一も返事が返ってくればいい方で、家の中でもイヤホンつけてたり、そもそも家に帰ってくるのがかなり遅かったり。
それでもAに当たったり冷たく接することはないし、俺や兄貴の頃と比べれば全然マシな方。
それが今日はついに、Aにも影響が。
普段俺らが喧嘩することなんてないし、まして北斗が怒るなんてあまりにも珍しいからか、怖がって俺にしがみつくA。
深澤「えれー音してたけど、なんかあった？」
青「北斗」
深澤「あぁ、反抗期お兄さんね。ま、ドアにも支障ないしかわいいもんだわ」
黄「Aには支障あったみたいだけどね。怖かったんだもんな」
いつの間にかリビングに戻ってきてたらしい大人たちから声かけられても、俺の腕の中から動こうとしない娘をだいぶ怖がらせてしまったことに気づいた時はもうべったり。
こりゃしばらく離れないかもなぁ…なんて、兄貴と目を合わせて2人で苦笑いしてる頃には、俺の意識はAにばかりいっていて、二階の息子のことは眼中になし。
もうすぐ空手の時間だけど…まぁ、自分で行くだろう。
高校生なんだし、たまにはこんな日があったって。
青「A、おやつ食べる？」
深澤「あぁ、昨日照がくれたケーキ、まだ残ってるよ」
「にぃにと、半分こ…」
青「ん。じゃぁ半分ね」
半分残しときゃ勝手に食うだろうって、たかが高校生の息子に対して、俺も大人気なかった。
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しずか(プロフ) - お話書いていただいて、ありがとうございました！かん。さんのお話は、いつも本人の心情や周りの愛情こもった気持ちがとても素敵に書かれているなと思います。これからもお話の更新を楽しみにしています！ (2022年4月25日 22時) (
レス) id: 2e5c54c5f4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - しずかさん» リクエスト、ありがとうございました！なかなか構想がまとまらず、お待たせしてしまってすみません。。。続編にてお話を上げさせていただいてます！リクエストに添えていれば嬉しいです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2022年4月25日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ぷりんさん» リクエストいただきありがとうございました！時間がかかってしまいすみません(T ^ T)続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです！ (2022年4月16日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» たくさんコメント書いていただきありがとうございます！(；ω；)とても嬉しかったです！また、しれっと公表した2つのお話のつながり、察知して気づいていただけて、ちょっぴりニヤニヤしてしまいました笑 これからも楽しんでいただける作品が提供できるよう頑張ります！ (2022年4月7日 23時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾎﾟﾝ(プロフ) - 長文にて失礼いたしました。これからも楽しみにしています😊 (2022年4月7日 14時) (レス) id: dde2180564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年1月23日 21時
