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小さい頃は結構頻繁に来ていた優吾の働く工場。
なんだか家には帰りづらくて、でも知った温もりが欲しくて…にぃにの大学は電車に乗らなきゃ行けないし、色んな人に迷惑かけちゃうのは分かってたけど、思いつくのはここしかなかった。
佐々木のおばちゃんは、ビックリして大きな目をまん丸にしてたけど、ニッコリ笑って膝に消毒をしてくれた。
なんとなく身体もだるくて、しばらくソファで横にならせてもらってたら、優しく頭を撫でてくれたのは綾ねぇだった。
綾「優ちゃんのこと、奥で待ってよっか」
綾ねぇの淹れてくれたコーヒーは、まだ子どもの私にはちょっぴり苦かった。
苦かったけど、あったかかった。
綾「しんどくない？」
「ん…」
綾「ふふっ。だーいじょうぶ。私から樹にはなんも言わないから。ね？」
頭を撫でてくれる綾ねぇの手がとっても優しくて、心にあったかいものがジワっと広がって…ママがいたら、こんな感じなのかなって。
気づいたらポロポロ涙が止まらなくて、そんな私を、また優しくそっと包んでくれる綾ねぇの温もり。
「んっ…大好きな、友達がっ…苦しそうだった。だから…っ、助け、たかった…」
「でも…っ、上手く、言えなく、て…っ。いつも、助けてもらってばっかだから…助けたかった、のにっ…。普段、教室にいないのに…口出すなって…ｯﾊｧ、なにも、っ知らないくせに…口出すなって、ｯｸ…」
綾「そっか…。悔しかったね…。で？この怪我は？」
「ドンって…押されて、ロッカー…ぶつけた」
綾「…よく、手ぇ出さなかったね。それに、Aちゃんはお友達を守ろうとしたんだ。偉かった！ふふっ。膝は、来る時にでも転んだんでしょ？おっちょこちょいなんだから」
ぜーんぶお見通しの綾ねぇが、もう一度“偉かったね、立派だね”って頭を思いっきり撫でてくれて…“お友達、嬉しかったと思うよ”って。
中途半端にしかなれなかった自分に、言い返せなかった自分に、大切な人を守りきれなかった自分に悔しさでいっぱいだったけど…綾ねぇの優しい言葉に、少しだけ救われた気がした。
綾「Aちゃんは、やっぱり樹とちぃの子だ」
何を思ってそう言われたのは分からないけど、綾ねぇがギュッと私を抱きしめて言ってくれたこの言葉が、ものすごく嬉しかった。
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しずか(プロフ) - お話書いていただいて、ありがとうございました！かん。さんのお話は、いつも本人の心情や周りの愛情こもった気持ちがとても素敵に書かれているなと思います。これからもお話の更新を楽しみにしています！ (2022年4月25日 22時) (
レス) id: 2e5c54c5f4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - しずかさん» リクエスト、ありがとうございました！なかなか構想がまとまらず、お待たせしてしまってすみません。。。続編にてお話を上げさせていただいてます！リクエストに添えていれば嬉しいです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2022年4月25日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ぷりんさん» リクエストいただきありがとうございました！時間がかかってしまいすみません(T ^ T)続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです！ (2022年4月16日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» たくさんコメント書いていただきありがとうございます！(；ω；)とても嬉しかったです！また、しれっと公表した2つのお話のつながり、察知して気づいていただけて、ちょっぴりニヤニヤしてしまいました笑 これからも楽しんでいただける作品が提供できるよう頑張ります！ (2022年4月7日 23時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾎﾟﾝ(プロフ) - 長文にて失礼いたしました。これからも楽しみにしています😊 (2022年4月7日 14時) (レス) id: dde2180564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年1月23日 21時
