無限の未来 4th season (ページ30)

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180話ページ30

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あれから数日、居座るように私の左腕から伸びる点滴を見て、ボーッとしていた。

無気力で、なにもする気が起きなくて…というか、なにができるほどの体力なんて残っていなかった。

やれることは…やった、気がする。

伝えたいことは、伝えられたはずやから。

あの日…濵ちゃんと電話してた時、大きな喘息の発作が起きた。

勇人「喘息なんて、久々やったなぁ。こんながっつり発作起きるのなんか、小学校以来ちゃうん？」

「せやね…。そんぐらい、やったと思うわ…」

勇人「ま、あんまり無茶すんなよ？帰れんようになるで。あ…。Aー？なんからメールきてんで〜」

「んー…。取って…」

勇人「ふはっ。そんくらい動けるやろ。ま、ええけど」

毎日のように病院に来てくれる勇人兄ちゃんも、急なこの私の無気力具合には、さすがに苦笑いするしかないみたいだった。

でもね、そんな勇人兄ちゃんが、チラッと内容が見えたみたく、“はよこれ、見てみ？”って見せてくれたメールのおかげで、ようやく光が見えた。

“日生、出ます。足掻いてみせる。”

メールを送ってきたのは、濵ちゃんだった。

たった15文字のメール。

でも、それだけで…十分に色んなことが伝わってきたような気がした。

照史「こーんにーちは」

「え…あっくん！」

照史「久しぶり。喘息、なったんやって？濵ちゃんが、焦ってたわ…“俺のせいやぁ～”って」

「…そんな。濵ちゃんのせいちゃうのに」

照史「ま、あとはお嬢さん俺の連絡無視するから、様子だけ見にな〜」

「あぁ、それは…」

照史「ふふっ。冗談やって、じょーだん」

事務所に来たついでに、濱ちゃんから頼まれて様子を見に来てくれたらしい。

まだ関ジュだった頃、喘息が出るたびに懸命に看病をしてくれたのは、ほかでもない関ジュのお兄ちゃんたち。

「あっくん、遅なったけど…デビューおめでとう。2002年組の分、頼むで？」

今ではほとんどのメンバーがいなくなってしまった。

長く一緒に頑張ってきた薫太くんや大智くんも、今ではもういない。

照史「大丈夫。絶対に、なんとかするから。やから、Aはゆっくり、自分の“今の夢”と向き合い？」

そう言って大きな手で頭を撫でてくれたあっくん。

久しぶりのその手は、これまでと同じ、優しい手だった。