DATE21 ページ22
青い扉のドアノブに手をかけてゆっくりと回すと、特に鍵もかかっていなかったようで簡単に開いた。
もし入った瞬間に何かが起きても良いように、身構えながら恐る恐る室内に入ると、そこは黒いレンガの壁で囲われた暗めの部屋だった。
室内には椅子と、そこに座らされている簡素な作りの人形、それから額縁に入った大きな絵があった。
二階もあるようで、壁には梯子が立て掛けられている。
既に先客がいた模様で、入り口のすぐ近くにはQタロウさんが、壁に掛けられた絵の前にはジョーさんが、椅子と人形の所にはカイさんがそれぞれいた。
Qタロウ
「おお、お前さんらも来たんか」
A
「はい。ええっと…ここは一体…？」
Qタロウさんがまずこちらに気付き、気さくに話しかけてくれる。
私が不思議そうに尋ねると、Qタロウさんは率直に意見を述べてくれた。
Qタロウ
「どうにも怪しい空間ぜよ。俺は今ざっくばらんに部屋全体を見まわしとるきぃに。だがあいつら…躊躇なく部屋の隅々まで探しよる…仕掛けとか怖くないんじゃか…？」
トク
「まぁなんかの拍子に変なことには巻き込まれそう…だぁね、この部屋」
Qタロウさんは、どうやら警戒心が強いようだ。
それは素晴らしい長所ではあるけれど、身の安全に走るその姿勢は、もしかしたらサラさんや他の方とは合わないかもしれない。
あくまでも現時点での判断だが。
ケイジ
「とりあえず、お巡りさんは椅子とか調べてくるね。二人はどうする？」
トク
「うーん、二階とか行く？」
A
「そうしようか」
見たところ、手がまだついていないのは二階のようだった。
椅子に座らされた無機質な人形を横目に、梯子まで早足に歩く。
A
「あ、トク。今日珍しくワンピースだけど…」
先に私から梯子を上がるのだが、トクの格好を見て口ごもる。
それを察したトクは、「大丈夫大丈夫ー」と親指を立て言葉を続ける。
トク
「ちゃんとスパッツ穿いてるし問題な＿＿」
A
「バカァァァッ！？」
トクはなんとその場でスカートを捲し上げ、黒いスパッツを晒したのだ。
驚きと使命感で、梯子の途中で停止していた私は地面まで飛び降りる。
幸いにも少ししか上っていなかった為、足の痺れは来なかった。
A
「駄目でしょそんなことしちゃ！」
トク
「良いじゃん、特に減るもんじゃないしー…」
A
「良くないですっ！！」
後ろからくる男性陣からの視線が、やけに痛く感じた。
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