Pain, pain, go away ページ6
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今日の夜ご飯の当番は待ちに待ったAさんの日。
なんとなくぼーっとしてるAさんが心配で、無理矢理一緒にしてもらって2人でキッチンに並んでいる。
でもAさんは多分違うこと考えてる。
だってほら、
「?!Aさん!それ塩じゃない!砂糖!」
「ほんとだ、あぶなー、」
助かった、と胸を撫で下ろすAさん。
……怪しい。実に怪しい。
絶対になにかを隠している。
やっぱり体調悪いのかな、……。
「……Aさん、やっぱ今日俺が作りますよ」
「いーよ、どーせチキン南蛮でしょ。飽きたって健太うるさいから」
「ク〇クパッドぐらい使えます!」
大丈夫大丈夫、とAさんは砂糖をしまって塩を取り出した。
てか俺もギョーザ飽きた。
なんて言えないけど。
また冷蔵庫を開けてぼーっと中を眺めるAさん。
考えるよりも先に身体が動いた。
「っ、びっくりしたぁ、……なに、」
「……言えないようなこと隠してるんですか?」
俗に言う壁ドン状態。
顔には出てないけど、Aさんも結構動揺してる。
俺もかなり緊張してる。
だってさ!
5センチ先にAさんの綺麗なお顔があるんだよ?!
緊張するに決まってるじゃん!
「……後で言うから」
それまで大人しく待ってて、とAさんは俺の頭を撫でる。
……やっぱりAさん動揺してなかったのかも。
それからはいつも通りのAさんに戻った。
必死に隠してるんだろうけど。
塩と砂糖を間違えることなく超美味しそうなご飯が出来上がった。
いつも通りめっちゃ美味しくて、みんなちゃんと胃袋掴まれてる。
寮の全お風呂を駆使して時間をかけて全員お風呂へ。
今はまったりダラダラタイム。
それでもAさんは悩みの種を明かしてくれない。
Aさんってそこまで深く考えてないようで、実は俺らが思ってる10倍は深く考えてる。
しかも溜め込んで1人で抱え込む癖もある。
それ故に思い詰めちゃう時もしばしば。
よくLIKIYAさんの部屋で相談会を開いてる。
陣さんを除く年下には一切そういう素振りは見せないけど。
……い、いや、盗み聞きなんかしてないからねっ?!
ねぇちょっと!信じてよ?!()
「……あの、」
Aさんは声を上げた。
やっとだ。
何に悩んでるんだろう。
「新しい仕事が決まりましてですね、……。」
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作者名:L | 作成日時:2020年6月12日 12時