そしてゼロになる 2【降谷零/安室透】

64.見つめると ページ19

事件現場を離れ、

零の車で予約してあるという旅館へ向かう。


「まあ、旅館と言ってもほとんどホテルみたいなもんだがな…


時間が無いからチェックインしたら部屋にはよらずに、

イベント会場の方に向かうからな。」

「分かった、

部屋は後でのお楽しみね。、」


外を見るともう空が赤く染まり始めていて、

本当にぎりぎりの事件解決だったのだと思う。


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ーー…言葉の通り、チェックインだけして鍵を受け取ってから

イベント会場に来ると、


空いてる席を見つけて座った。


あまり大きいイベントではないようで、

ここにいるのもざっと数えて100人くらいだろうか。



「間に合って良かったな。」

「うん。」


零の言葉に頷いて、

隣に座る彼の方を向くと、思っていたよりも近くてびっくりする。


「…」

「どうかしたか？」

「いや、貴方って本当に…」


かっこいいなって思った。

顔も端正だし、安室透に比べるとあれだが、降谷零も優しいところはちゃんとある。


多分理想の彼氏像なんじゃないかと思うくらい。


恥ずかしいから絶対言わないけど。


「…やっぱりなんでもない」

「…変なやつだな」


顔をふいと逸らした私の頭をひと撫でして、

零はクスリと笑った。

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