そしてゼロになる 2【降谷零/安室透】

59.勘づかれる ページ14

Aside


ずっとコナンくんとなにか話していた敢ちゃん先輩は、

にやりと不敵に笑うとこちらをくるりと向いた。


「そろそろ、解決編といこうか。


…なあ、そこの…」

「安原です。」

「ああ、そういう名前だったな…


アンタはべとってなにか、知ってるか？」


「さあ…どんな意味なんですか？」


白々しく答えると

敢ちゃん先輩はもともと睨みの聞いた目線をさらに険しくした。



「“土”って意味だよね！大和警部！」


そんな少し険悪な空気を壊すように、コナンくんの明るい声が響いた。


「ああ、そうだ。」

「へえ…そういえば、」


そういって私は容疑者3人に目を移す。


「名前に土がつく方が、確か2人ほど…いらっしゃいましたよね。」


出不精な男、朝木海土と、メイクが濃い女、土浦みさき。


「ﾁｯ…俺はちげーっつってんだろ！」

「なっ…私こそ違うわよ!!」


必死に弁解しても、もう無意味でしかない。

私と零も、敢ちゃん先輩とコナンくんも、もう全てわかってしまってるから。


「犯人の失態は、スマホのスケジュールアプリに“べと”という単語を残したことだ。


通話履歴やメールを消した犯人が、なぜ自分の名前に繋がるその言葉を消さなかったのか…」

「それはきっと、長野の方言が分からなかったから…


それが土って意味だって気づかなかったんだよ！

僕や安室さんも、最初はべとが何のことか分かんなかったもん！


…だよね、安室さん」


コナンくんはそう試すように零を見てそういう。



…まって、零。あなたコナンくんに何勘づかれてない？

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