ハルのさやみる小説 ⑦ (ページ29)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:44,373 hit

時を超えて　55 ページ29

いつの間にか眠っていたらしく、辺りは明るくなっていた。

街に入った時、由依が窓を眺めながらポツンと呟いた。

「ねぇ、まさかアレ目指してるんじゃないよね」

由依の指さす方向には、今までに見たことない大きな建物が見える。

「あれって、お城？」

「たぶん」

「まさかねぇ…」

その予想が当たってしまったという事は、降りてからわかったことである。

馬車を降りて見れば、大きな正門。

「城…」

「城だな…」

「城や」

「「「「お城ーーー！！！」」」」

子供達は初めての大きなお城を目にして、テンションMAXのようだ。

「さぁ、中に入って」

「この部屋、自由に使ってええから」

そう言われて入った部屋はまるで家のようで、部屋の中に廊下があって、リビングがあったり、部屋がある。

「詳しい事は明日話す。今日はゆっくり休んでな」

そうは言われても、こんなに立派な部屋。しかも城内の部屋だ。

彩を三人は立ち尽くすことしかできなかった。

しかし、子供達はすでにはしゃぎまわっていた。

子供とはすごいものだと思った。