Secret Girl ~Sho~

2018.1.16 ページ30

#Kaito side




デビュー発表の前日。




ハピアイのレッスンが終わって

俺は一般人の友達と

ご飯を食べに行く約束をしていた。




先について携帯を開くと

少しだけ遅れる と、メッセージが。




仕方なく席に座って

友達が来るのを1人で待っていた。








数分後、後ろのテーブルに座った2人組。




最初は全く気にしていなかったけど

会話が少し聞こえてきて

思わず耳をすまして盗み聞きをしてしまった。






『夏美、話しておきたいことがあるの』




夏美「どうした？そんなに改まって」




『ずっと隠してたことがあって…』




夏美「ん？なに？」




『私ね、昔 紫耀くんと会ったことがあるの』




夏美「どういうこと？」




『会ったっていうか、ハッキリ言うと

1度だけ付き合ってたことがあった』






彼女の話す“紫耀くん”が平野紫耀だと

決まったわけじゃないけど

俺の勘では平野紫耀だと思った。




理由なんてない。




ただの勘。






夏美「ごめん、確認だけど

紫耀くんって平野紫耀のこと？だよね？」




『うん』






やっぱりね。




でもまだアイドル平野紫耀じゃないかもしれない。






『私、昔から病弱でよく入院してたんだけど

ある日名古屋の病院で入院することになって

そこで初めて紫耀くんと出会ったの。

その時はまだ紫耀くんはジャニーズJr.じゃないし

私もジャニーズJr.の存在を知らなかった』






俺の知っている平野紫耀だと確信した。






夏美「A、それ聞いていい話？」




『夏美だから話してるんだよ。

夏美なら誰にも話さないでいてくれるから』




夏美「そっか……

紫耀くんはAの存在に気づいてないの？」




『紫耀くんは交通事故で

私のことだけを忘れちゃったから』




夏美「なにそれ。なんで？」




『なんでかはわからない。

でもね、それでもいいんだ。

紫耀くんの目に私だけが映った瞬間が

少しでもあったから』




夏美「本当にそれでいいの？」




『………』




夏美「会いたいんじゃないの？」






紫耀も会いたがってるよ。




そう伝えてあげたかった。




でも俺には出来なかった。

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