放課後 ページ6
まだ6月の頭だというのに日差しは真夏のように激しく照りつけている。
少し動くと汗が出るし、この日差しでは日焼けもしてしまいそうだ。
私と作ちゃんの家は近い。学校からは電車で4駅。そこから私の家が徒歩10分、作ちゃんの家が12〜3分くらいだろうか。
だから毎日一緒に帰っている。
作ちゃんはサッカー部で夕方まで部活があるから、帰宅部の私は教室で課題をしたりして作ちゃんの部活が終わるのを待っている。
今日は教室で意味がわからない数�兇硫歛蠅鬚覆鵑箸覆�こなしながら待つことにした。
「なんだこの数式、、意味わかんない、、」
ふと時計を見ると、6時半ちょっと前を指している。
「もうすぐ作ちゃん来るからあとこの問題だけ」
そう決めてまた数式に向け合う。
((ガラッ))
「作ちゃん？？ごめんあと1問だけ！」
「Aちゃん？」
「えっ、！ゆ、ゆうとくん！？どーしたの！？」
「いや、筆箱机に忘れてさ。」
「Aちゃんこそ、もう6時半だよ？」
「えと、私は、作ちゃんを待ってて、、」
「なるほどね、一緒に帰ってるんだ？」
「そうそう、家近いから、、、」
何気ない会話を交わしながら、私は緊張していた。
『2人っきりで放課後教室、しかも夕暮れでいい感じの空』というなんとも漫画のようなシチュエーションが緊張を誘っているんだろうか。
「あれ？Aちゃん、なんか顔赤い？」
話していたとはいえ、私は窓際、優斗くんは廊下側の席にいて距離はそこそこあった。なのにこの言葉を発した優斗くんが徐々に近づいてくる。
「えっ、気のせい気のせい！あ、夕日じゃない？ほら、私窓際に座ってるし！」
「んー、そうかなあ？ちょっとよく見せ、、」
「Aー！おまたせ帰ろ！」
「作ちゃん！！！」
「あれ？優斗？なにして、、って、えっ！？俺、じゃましちゃった？？！」
「「ちがう！！」」
私と優斗くんが否定する声がキレイに重なり、作ちゃんはちょっとびっくりしている。
「あ、作ちゃん来たから帰るね！ばいばい優斗くん！ほら、作ちゃん帰ろ！」
「あ、うん、じゃあね優斗」
「おー、じゃあな」
作ちゃんの背中を押し、逃げるように教室を去る。
「はぁ、A、顔。」
「えっ、」
やれやれみたいな顔をした作ちゃんにそう言われ、バッグから急いで鏡を出し自分の顔を見てみると、そこには真っ赤な顔の自分が映っていた。
まるで夕焼けの空のように。
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作者名：milky | 作成日時：2020年3月27日 0時
