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それから、微かに鼓膜を揺らすように、優しく囁く。
｢Aちゃん、て呼ばせて？｣
色気をはらんだ艶っぽい瞳に捕らわれる。
まただ。
金縛りにでもあったみたいに身動きができなくなって、私は一つ頷くのがやっとだった。
｢ほんま？ふふ、やった！ありがとう、Aちゃん｣
しかし、一方のこの男は、嬉しそうに満面の笑みを浮かべて、小さく飛び跳ねていた。
なんだか、上手く操作された気がする･･････。
｢でも、ほんまにまた、こうやってAちゃんと話せて良かった。ありがとうな。それと、ごめん｣
だが、またすぐに真剣な表情に戻ると、そう謝罪の言葉を述べていた。
そして、困ったように苦笑を浮かべる。
｢アカン、名残惜しいけど、そろそろ戻らへんと･･･｣
『あ、そうですね。じゃあ、頑張ってください』
仕方のない事だけど、今離れなければならないのは正直とても寂しかった。
もっと一緒にいたい。
話していたい。
触れていたい。
仲直りできただけでも十分なはずなのに、次から次へと沸いてくる欲に、自分が怖くなった。
｢おん、ありがとう｣
すると、丸山はずっと握っていた私の手を持ち上げると、その指先に触れるだけのキスを落とした。
『へ･･･！？』
指先が麻痺したように、じんじんと痺れていく。
｢ほなまたね、Aちゃん｣
ところが、丸山は何事もなかったかのような笑顔をむけると、硬直する私に手を振って去ってしまった。
一方の私はと言えば、丸山に何も言えぬまま、雪崩れるようにその場にしゃがみこむ。
今、キスした･･････？
自分の指先を見つめ、顔から火が出る。
熱に浮かされたみたいに、頭の中がふわふわとした。
あの人の事しか考えられなくなって、胸が苦しくて、呼吸の仕方も忘れてしまいそうだった。
また一つ、あなたの事を好きになる。
『───もうっ･･･！』
だから、こういう事するなって言ってるのに───！！！
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
